やや不健康そうながらも、町で十人とすれちがえば十人すべてが振り向くような、そのうち何人かはふらふらと近づいてしまいそうな――奇妙な吸引力のある美貌だ。血のごとき、深紅の瞳。寝癖なのかお洒落なのかわからない、ゆるく波打った闇色の長髪。
夢ノ先学院の制服を着ているけれど、学生らしさを主張しているのはその程度――名画の中から抜けでてきたような、どこか古風な麗人である。

ひひひのようしびょうしゃ;;