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それだけでなく、さらにーー。

「特に目立ったのが、4回転アクセルを組み込んだフリーを演じ終えて、キス&クライで自分の演技のVTRをチェックしていたときです。実況アナウンサーも思わず『羽生選手が自分で解説してますね』と言うくらい、しゃべっていました」(前出・テレビ局関係者)

カナダからブライアン・オーサーコーチが来日できず、キス&クライの席にたった一人で座っていた羽生だが、モニターを見ながら次のように独り言を連発。

「ここは拍手するところなの? 恥ずかしいな。ちょっと抜けてるな、やっぱり。もうちょい上半身しっかりやらないと」
「ちょっと早いんだよね〜。そんなに慌てなくてよかったじゃん。ちょっとカリカリしてるし」
「頑張った、頑張った。めっちゃクールな顔してるな。めっちゃ安心してるくせに」

自分の演技や表情にツッコミを入れたり、ジャンプの修正点を確認したりと、得点が出るまで一人でしゃべりっ放しだったのだ。

羽生を応援するファンに聞くと、「もともと彼は独り言を言うタイプです」と言うが、とはいえ最近、特に増加しているようだ。

長年、羽生を取材するスポーツライターの折山淑美さんは言う。

「コーチが不在で日本で一人で練習していたコロナ禍以降のここ2年ほどで、羽生選手の独り言が目立つようになりましたね」

ただ、やはりアスリートにとっては意味があることのようだ。

「陸上やテニスなどほかの個人競技のアスリートにもよく見られる光景なんですが、たった一人だけで臨みますから、つぶやくことで自分自身の動きの確認や、鼓舞する意味合いがあると思います」(折山さん)