1回転半から140年…羽生結弦、4回転半で五輪3連覇へ アクセル母国も期待「成功を祈っています」
2022年01月25日 05:30 フィギュアスケート

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開幕まで10日となった北京五輪で、フィギュアスケート男子の羽生結弦(27=ANA)が、人類初となるクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)の成功と94年ぶりの3連覇を目指している。1回転半のアクセルジャンプが誕生したのは、140年前の1882年。初成功者とされるアクセル・パウルセンの母国・ノルウェーのインガ・ニーハマル駐日大使(57)が、24日までに羽生へのエールを寄せた。
 フィギュアのジャンプ6種類の中で、唯一前向きに踏み切るアクセルは、1882年に誕生した。オーストリア・ウィーンの国際大会で、スピードスケートの靴を履いたアクセル・パウルセンが初めて成功したとされ、その名がジャンプの名称となっている。1回転半から140年。人類で初めて4回転半の成功を見据える羽生へ、パウルセンの母国・ノルウェーのニーハマル駐日大使が、エールを送った。

 「スターである羽生結弦選手の4回転アクセルが見事、成功することを祈っています」

 羽生は昨年12月26日の全日本選手権のフリー「天と地と」で、4回転半を実戦初投入。演技開始から18秒後、果敢に挑んだ超大技は両足着氷となって成功はならなかった。「試合の中であれだけできたら妥協できるところにはいる」とする一方で、「悔しい」とも漏らしていた。ただ、12月23日の公式練習では右足だけでの着氷に近い好ジャンプを披露。全日本後は「ここから1カ月ちょっとしかない状況の中で、やれることはたぶんアクセルくらい」と話し、夢舞台を見据えて鍛錬を重ねている。

 超大技の成功とともに、羽生が目標に掲げるのが五輪3連覇だ。男子では1920、24、28年を制したギリス・グラフストレーム(スウェーデン)以来、94年ぶりとなるが、アクセルを生んだノルウェーとの奇縁はここにもある。女子で3連覇を達成しているのは1928、32、36年のノルウェーのソニア・へニーのみ。へニーは、女子で初めてアクセルを成功したとされている。