「登場キャラを観客/読者が理解し物語の魅力を伝える為欠かしてはならない手順とは」を
映画ロッキーを手本に解説していた脚本講座を読んだんですが
それを全て無くした失敗例として載っている解説が
「突然改心して轟炎司が何を考えているのか読者にわからなくなった」シーンに酷似していたんですよ

エンデヴァーがサブキャラ(悪)→メインキャラ(善)に推移するにあたって脳無戦が″禊″じゃないのか?についてですが
本当に必要だったのは、読者に理解できる存在になる=読者から見た禊
つまり「心が変化する様子」であり、改心の過程をスキップしたならそれは作品において禊の役割を果たしてないんです

轟炎司というキャラをサブキャラ→メインキャラ化する、読者が理解できる存在にする「改心の過程」を描き損ねてしまった例に限らず
今まで積み重ねた小さなミスたちがゆっくりと積み重なり…取り返しのつかないほど影響の残ってしまったそれらが、大きな違和感として
現在の読者を蝕んでいるんですね…

クルシイ

轟炎司をエンデヴァーたらしめている「俺より強い仔を作りNo.1にする」設定が狂気的で本当に大好きなのですが
ヒーローランキング制度=民衆の認知度/人気度の可視化にすぎない と設定・提示してしまった結果
「どうして強ければNo1になれると??は思ったの?」という疑問が読者から出てきてしまっている

改心する過程を描かれなかったエンデヴァーは「罪悪感が無い筈の狂人が知らない内に真人間になった」様に見える
だからこそ禊になる筈の脳無戦でどんなに??が勇姿を示しても読者にとっては理解しがたいし
「轟炎司が本当の所何を考えている人なのか読者にとって永遠にわからない状態を作った」んですね

そして該当箇所を何とかしようとした結果、読者はより一層戸惑うことになってしまった…でいいのか…

小さなミスが積み重なり膨らんだ亀裂へ保護テープを貼るように付け足されたものの、寧ろ違和感を加速させてしまった″後付け描写の矛盾点″に
ついて考えると凄いことになっているため…思考を放 無事作品の完結を願うばかりですが…

読んで貰った際「まだ7巻なのにもうこれやるの?」「マイトが力を失ってしまうタイミングがあまりにも早急じゃないか」との感想を貰いましたが
やっぱりなし崩し的に神野の戦いを開始してしまったためNo.2がNo.1を継承する為の改心エピソードを入れる余裕も失ってしまったのかな…

先生は先の事を思考に入れずとにかくご自身が楽しむ事を優先するリアルタイムエンタメ精神の比重が大きい(週刊連載ではよくある)
しかし他の作家よりも整合性や設定連携箇所を把握する能力が弱めなきらいがある…他の才能が著しく突出している分
ヒーローランキングと??の設定が噛み合わない箇所とか…