ヒロアカ:「悍ましい」という語彙は俯瞰状況が何ぞ悪化した状態を指す語彙(例:悍ましい軍需産業戦争、悍ましい再生エネルギー利権など)であって
個人の性質や主張程度へ誹謗中傷に使う語彙としては向いていないのではないか?という見解の下、轟玲が彼女の夫、轟炎司を「悍ましい」と表現した件を追及

台詞としては「連作・火の不始末」において→「燈矢が消えて…エスカレートしていくあなたが悍ましくて…子供達にまで面影を見るようになってしまった」
これと対比して炎司の台詞は「燈矢を殺してしまった事で後に引けなくなっていた…焦凍に傾倒する他…なくなっていた」冷さんの台詞、あれ?と思う所がある。

殺した、と長男の死を認識している炎司に比して
「消えた」という表現は直截表現を避けるたおやかな女性らしさ、というよりも作劇上「燈矢の生存」をより強調する為の語彙活用なのだろうな、と思うものの、
続く「エスカレート」とは→燈矢の死を自責し焦凍に傾倒する他ない炎司の姿の事

これは体育祭編焦凍回想や350話の荼毘回想でその様子が描かれた様に「厳しい炎制御訓練」だった。
(スピンオフ小説家曰く「虐待に近い訓練」という記述で読者によりエンデヴァー=家庭崩壊実行犯な印象操作を強めた)
炎司が「後に引けない」と言った理由は「連作・火の不始末」で判る通り
燈矢の異常な執着心に有効な妥結策が見つからず自己崩壊から息子を救うことが出来なかった、からです。
末弟焦凍も半冷半燃個性と判っているのだから炎の制御訓練に贖罪を伴っているにせよ危機感を以って厳しく指導に当たる炎司は、果たして「悍ましい」でしょうか?

第三者目線から視ると厳しいのは寧ろ当然ではないだろうか?
本作における「赫灼」技の火力の凄まじさを見れば、幼少時から訓練は必須。そこを悍ましいと指摘するのは文法的におかしい。
つまり、冷さんが言いたいのは訓練の件ではなく、夫炎司の「心の有り様」を有体に非難態度な訳です。
当時、そして今も彼女が炎司をどう見ているかは「連作・火の不始末」で判る。
「あなたが子供に何を求めているか燈矢は”もう”知っている」「あの子はあなたに見て欲しいんだよ」
冷さんは「オールマイト超え」執心なエンデヴァーの協力者(燈矢に言わせると「お母さんも加担」)。しかし、エンデヴァー炎司は冷さんとの会話でこう言っている。
「馬鹿な所も(燈矢は)俺に似た…!」と。判りますかね?