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スペイン出身のハビエル・フェルナンデスは、羽生と親交の深いスケーター。

「2人は、カナダの練習拠点で一緒にブライアン・オーサーコーチ(60)の指導を受けた仲間です。ともに過ごした期間は6年にも及びます。今回のショーにハビエルも出演しており、コロナ禍で会えなかった2人が久々に会えました」(前出・スポーツライター)

この貴重な再会に、ショーの関係者も着目したのか、パンフレットで対談が実現したというわけだ。

「対談の内容はというと、2人がコロナ禍での苦労をお互い吐露したり、今回のショーでのこだわりを披露し合ったりというものです。そして、会話が進むなかで、羽生選手からハビエルに向かって質問をぶつける場面があるんです。それが『競技をする選手とプロスケーターの違いはどう感じていますか』というものです」(前出・スポーツライター)

頭をよぎる選択肢 羽生の問いへの答えは

長年熱心に羽生を追い続けているファンにも話を聞いてみると、

「羽生くんがプロスケーターについてなにか質問するようなインタビューや対談は、私は見た記憶がないです。珍しいと思います」

という。これについて「羽生選手の“心の揺れ”が感じられる質問ではないでしょうか」と前出のスポーツライターも分析する。

「ハビエルは平昌五輪で銅メダルに輝いた翌’19年、競技生活から引退し、プロスケーターに転向しています。プロとして経験を積んできた彼に、競技選手時代との違いをぜひ聞きたかったのでしょう。羽生選手の頭の中にも、遠くない未来の“引退”“プロスケーター”の選択肢がよぎっていて、悩んでいるからこそ出てきた質問といえるのではないでしょうか」

仲間であると同時にライバルとして、ソチ五輪、平昌五輪で激戦を繰り広げてきた2人。さらに振り返れば、羽生にとって3歳年上のハビエルは“一歩前を行く”存在でもあった。