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 頻度も政権で波がある。

最多は、通算在職日数3188日の安倍政権で羽生結弦選手ら計7人。

同1980日の小泉政権はゼロ。同69日の宇野政権は、没後の美空ひばりさんに授与した。福田内閣の官房副長官で賞創設に携わった塩川正十郎氏は後に「首相が決める賞。 恣意しい 的な面も当然ある」と証言している。

「スポーツを利用」

 だが、賞の授与は、政権がスポーツを利用して都合の悪い事実を隠す「スポーツウォッシング」の効果があるとの指摘もある。
神戸親和女子大の平尾剛教授(スポーツ教育学)は、近年、国民栄誉賞が人気のピークにある現役スポーツ選手に偏っているとし、「健全なスポーツのイメージを利用しているとみられても仕方ない」と語る。

 元々、王選手の栄誉をたたえるために作られた国民栄誉賞。
半世紀近くにわたって国民からも愛されてきたが、価値観が多様化する今、国民がこぞって賛同する受賞者を探すのは難しいのかもしれない。
ただ、選考過程を明確にすれば、批判もある程度は避けられるはず。令和初の授賞を決める前に建設的な議論を始めてはどうだろうか。