羽生結弦さん 4A挑戦を後押しした「羽生ちゃんこ鍋」コラーゲン&ビタミンCで回復 7/29(金) 6:30配信 デイリースポーツ
https://news.yahoo.co.jp/articles/b8757e78f294c304a25e7afc397046ec72265b32

 男子フィギュアスケートで2014年ソチ、18年平昌両五輪を連覇した羽生結弦さん(27)がプロ転向したことを受け、13年夏から9年間、羽生さんの食生活を個別にサポートし続けた食品メーカー「味の素」の栗原秀文さん(46)が28日までにデイリースポーツの取材に応じた。クワッドアクセル(4回転半ジャンプ=4A)への挑戦を援護した“4A飯”に迫った。

 21-22年の北京五輪シーズン。4回転半に挑む羽生さんをサポートすべく、栗原さんは食事の“特別プログラム”を組んでいた。

 「4Aって、とてつもない衝撃が体全身にくる。着地の時の音が、大太鼓をたたくぐらいのすごい音」。注目したのは体全体の筋肉と骨をつなぐけんへの負担。早い回復のためにも、必要な栄養素はコラーゲンとコラーゲンをより吸収させるビタミンCだと考えた。

 そして考案されたのが、“羽生ちゃんこ鍋”だった。鶏手羽や、軟骨入りのつくねだんご、にんじん、水菜などを入れて、必要な栄養素をそろえた。「同一の食材を何回も食べてもらわないといけない」と、飽きがこないようスープの味も複数用意した。

 鍋にするメリットもある。「だしのうま味(アミノ酸)は消化吸収を助ける“食欲のスイッチ”の役割を果たします。それに胃や腸は筋肉。温めた方が動きやすく、色んな栄養素も取れる」と栗原さん。サポートし始めの頃から鍋を好む羽生さんは、「染みるー」とうれしそうに食べてきたという。

 羽生さんが「死ににいくようなジャンプ」と表現した4回転半は、北京五輪のフリーで転倒こそしたが初認定された。ただ、それは3連覇がかなわなかった舞台でもあった。フリーから2日後、栗原さんは「体が無事でよかったね」と声をかけた。「本当にそうですね」と返ってきた。「それが忘れられない」。一緒に挑戦を見守ってきた栗原さんだからこそ感じた、羽生さんの覚悟があった。