>>781
文章の書き方はそれこそ小学校1年生の国語の時間から始まるわけで、義務教育を受けた人間なら誰しも「文章」は書けるのだけど、人に見せる文章の書き方をほとんどの人は知らない。二次創作の小説を書き始めるにあたり、他人のキャラクターを使って本を作り、それを他人に売る以上、文章を書くための最低ラインを越える必要があると思った。小学生レベルの文法を確認したあと、私はまんだらけへ行き、ちょっと名の知れた小説同人作家の作品と商業BL作家の単行本を何冊か買ってきた。同人作家の方は毎回A5・二段組・100P前後の話の本で、商業BLは大体A6版で300Pくらいの本を狙って買った。文字数にしてそれぞれ10万文字から17万文字程度になる。その質量を埋めるには一体どの程度の時間の流れをどの粒度で描写すればよいのかを知りたかったのだ。
まずそれを知るために、全編を通しで読んだあとパラグラフごとに鉛筆でしるしを入れて文章を全て分けた。それぞれのパラグラフで何が起こっているのかを書き出して、パラグラフの文字数を数えた。それで何の描写に何文字を費やしているか全体のバランスとリズムを見た。例えば、商業BLの場合大体最初のパラグラフの1500文字あたりまでで登場人物の名前や性格、どんな生活をしているのか等がわかる構成になっている。これはほとんどの作品がそう。でも「Aは明るい性格で・・・」のような書き方はしない。作中で起こる出来事を通して、その出来事に対しての反応でAの性格がわかるような書き方をする。等。まずはできあがっている作品から逆にプロットを起こすこの作業で、長編を書く感覚を掴む練習をした。