>>318
『ジャガーン』ハッピーエンドではなく、過酷な運命を描く


――金城さんの作品は『ジャガーン』を含め、キャラクターをどんどん過酷な境遇に落としていくような物語が多いと思いますが、キャラクターを追い込むのはご自身が辛くなったりはしませんか?


むしろ楽しいですね(笑)。
「不条理なこと」に対する思いは、子どもの頃から、すごくありまして、それとどう折り合いをつけ、どう諦め、それを腹に抱えたままどう生きるか、というのがその人のポイントであるような気がするので。
まあ、僕も『ジャガーン』を描き出して途中ぐらいで、「俺、こんなんばっかり描いているな」と思いました(笑)。全体的に「自分の描きたいのはこういう作品なんだな」と。
だって、綺麗な「ハッピーエンド」のお話っていうのは、完全に「嘘」じゃないですか。
でも、世間の人々の中には、それを「嘘」だと思わず、いつか自分の人生にも、何かそういうキラキラが待っているだろうと信じてしまっている人もいる。
これは辛辣かもしれないのですが、たとえば、誰かと付き合う時にも、そういうキラキラした未来をゴールに設定して付き合っているけれど、「そんなものは嘘だ」と。(笑)。