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2023年8月9日

(略)
「この度、私、羽生結弦は入籍する運びとなりました」
「羽生結弦」の結婚報告は、この一文のみだ。
その後に続く文章では相手の女性について一切触れない。

そのことをもって「妻をメディアから守るための配慮」と絶賛する人もいるが、不自然なほどの妻の不在は、
妻となる人が生涯「羽生結弦の妻」というポジションでは社会に出てくることを「羽生結弦」として許さない、という決意と緊張感を与えるようにも読める。

今までと変わらずに「羽生結弦」は「羽生結弦」であるとの宣言も、「羽生結弦」が何よりも優先されるべき結婚生活を送ることであると暗に知らしめるように感じるが、
「男の偉大な仕事」が優先されるべき結婚というものが、妻にとってどのようなものになるのかは……フェミニストとしては様々な事例から不穏なものを感じてしまうのである。