報告書からメリー氏に関する部分を引用しよう。

《文藝春秋に対する訴訟の東京地裁判決でも、週刊文春の記事において、「原告事務所〔注:ジャニーズ事務所を指す〕は怖く、当局〔注:在京の民放テレビ局を指す。〕でも事務所にネガティブなことを扱うのはタブーである」》

 とした上で、「週刊文春」の具体的な文言を書いている。

《「マスコミ対応を委ねられているメリー喜多川は、ドラマの共演者が気に入らないと、その放送局の社長に直接電話をかけ、外すよう要求することもあった」

「平成8年5月にSMAPのメンバーであった森且行が原告事務所を辞めさせられた」

「メリー喜多川は、森がオートレーサーの試験に合格した事実を前向きに報じようとした民放のプロデューサーに、『SMAPには森なんていなかったでしょ?』『最初からいないの。森はSMAPのメンバーじゃない。』などと大声を出した」

「森が原告事務所に内緒でレーサーの試験を受けたことが、メリー喜多川の逆鱗に触れた」

「森の脱退に際して、何らかのイベントは一切なかった」》

 これらの掲載内容について、報告書は以下のように結論づけた。

《その重要な部分が真実であるとの証明がされたか、又は少なくとも、被告の文藝春秋らが、これを真実と信ずるについて相当の理由があったというべきであり、「マスメディアは、原告事務所を恐れ、追従していること」それ自体又はその前提となる事実を真実と信ずるについては、相当の理由があったと判示している(この点は、東京高裁判決においても維持されている)。》