■25回のドラマグランプリのうちジャニーズが21回も主演男優賞を獲得

 メリー氏は読者投票にすれば、ジャニーズ事務所のタレントが賞を取れるという算段があったのだろう。実際、「日刊スポーツ・ドラマグランプリ」は第2回(1998年)から第26回(2022年)までの25回で21回もジャニーズが主演男優賞を取っている。昨年は当時King & Princeの平野紫耀が受賞した。

「全話平均世帯視聴率を見ると、平野主演の『クロサギ』がヒットしたとは言えません。昨年の民放連続ドラマで1位の『DCU』は14.4%ですが、『クロサギ』は7.4%で半分にも満たない。2つの間には15本以上のドラマがある。キンプリファンが平野君に何か賞を取らせたいという思いで投票したのでしょう。平野君は組織票で受賞しても嬉しくないと思いますよ」(民放関係者)

 昨年の主演男優賞の投票結果を見ると、ベストテンの中で退所者含め8人がジャニーズ系だ。「DCU」の主演である阿部寛はランク外になっている。完全にジャニーズファンによるジャニーズファンのための賞になっている。

「おそらく日刊スポーツの記者もそうなると予測していたでしょう。でも、《言外に「そうしないとジャニーズのタレントは出さない」のニュアンスを感じた》からメリー氏の言う通りにした。これを圧力と言わずして、何と言うのでしょうか」(前出の週刊誌記者)

 メリー氏は《あなた、全部のドラマ見ているの?》《見られないのに(記者や評論家が)審査するのはおかしいですね》と言ったそうだが、投票した読者は全てのドラマを見たのだろうか。メリー氏の抗議を受け入れてしまったことで、「日刊スポーツ・ドラマグランプリ」は形骸化してしまった。

「このような話は社内で語り継がれていくと思いますし、メリー氏の行動は氷山の一角でしょう。それなのに、再発防止特別チーム会見の翌日に現在のジャニーズ担当記者が《「圧力」を認識したことはない》と書いた。この期に及んでまだジャニーズを擁護するのかと驚きました。また、記者の《「密室」での出来事に思いが至らなかった》のはジュリー社長の『知らなかった』という発言と同じような印象を受けてしまいます」(ベテラン芸能記者)