2019年と2023年の世界選手権は、どちらも埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開催された。羽生が出場した2019年の世界選手権は、チケット収入だけで約15億円を稼いだのに対し、彼の引退後に行われた2023年は、10億円にも届かなかった。

 この「羽生ロス」による収入不振には、国際スケート連盟も2023年6月に公開した収支報告書で《最も人気のある日本人フィギュアスケーターが競技から引退したことも、この問題をより一層悪化させている》と触れていたが、日本スケート連盟も、羽生不在の影響を数字で突き付けられた形となった。

 あまりにも大きな羽生の穴。スケート界に「羽生ロス」を埋められる選手はいないのだろうか。

「今の日本フィギュアスケート界にも、世界選手権を連覇した宇野昌磨選手(25才)や北京五輪銀メダリストの鍵山優真選手(20才)を筆頭に、実績のある選手が揃っています。しかし、圧倒的な実力で周囲を牽引し続けた『絶対王者』の羽生さんの地位に達するのは至難の業。そもそも羽生さんのようなスター選手はそうそう現れるはずがないので、比べるのも酷な話ですが……」(前出・フィギュアスケート関係者)

 苦悩の日本スケート連盟に対し、プロ転向後の羽生は公私ともに順調だ。今年11月からは全国3か所を回る単独アイスショー「Yuzuru Hanyu ICE STORY 2nd “RE_PRAY” TOUR」が始まる。