>>783
■仲村トオル(野木浩一郎役)コメント
野木は亀梨くんが演じる真樹の父親ですが、親子関係がとても複雑なんです。でも真樹が反抗的な育ち方をしてしまったことに、野木も少し負い目を感じているんじゃないのかなと…。とはいえ自分の仕事や生き方に恥じるところは一点もないという感覚をもった人とも感じます。
実は僕、亀梨くんが小学生の時に会ったことがあるらしいんです。僕は全然覚えていなかったんですが、あるドラマで少年野球のチームが試合をしているシーンがあったことは記憶にあって…その野球少年たちの中に亀梨くんもいたらしいんです。その撮影の昼休憩のときに、僕がベンチで寝ていた亀梨少年の口にかき氷を入れたらしく、それに驚いて飛び起きたと亀梨くんが言っていたのですが…。僕は、その日初めて会った少年に、そういうイタズラをしないと自負しているので(笑)、よっぽどかわいらしかったか、よっぽど面白い顔で寝ていたのか、どっちかだと思うんですけど(笑)。亀梨くんがその時のドラマの映像を、この前スマホで見せてくれたんですが、そういう過去のちょっとした繋がりが、今回親子を演じるうえで何かスパイスになればいいなと思いました。
真樹は“お父さん大好き”という少年ではなかったし、野木も“仕事より家庭”という親ではなかったと思います。でも、24時間365日ずっと冷たい関係だったかというと、そんなことはなく…普段そういうイタズラめいたことをしない僕が亀梨少年の口にかき氷を入れたように、たぶんこの親子にも楽しい瞬間や、少し心が温かくなるような記憶もあったんじゃないか、と。約26年前、わずかに触れ合った亀梨少年と親子の役をやることになるとは!改めてすごいご縁だなと感じています。
“過去の印象”は変えられるといいますか、失敗や屈辱、敗北感のようなものは、今からでも生き方や努力で良き思い出に変えることができる…僕の願望も込めて、この作品がそんな物語になるといいな、と思っています。ぜひ皆さんにもご覧いただきたいです。