「沖縄は日本じゃないし」と思うのは音楽を通して得たものなのだろうけど、県民の自分より沖縄の本質を理解しているのかも

坂本龍一が語る、『BEAUTY』で描いたアウターナショナルという夢のあとさき
2021/12/23
https://rollingstonejapan.com/articles/detail/36968/4/1/1
─そうした無帰属性は、アメリカではどういうふうに評価されたんでしょう。
坂本:それが、完全に誤解されるわけですね。つまり、日本的な音楽をやっているんだと思われてしまうんです。
─ああ、なるほど。
坂本:その度にカンカンに怒ってました。「ふざけんじゃねえ」って(笑)。「こんな音楽、日本にも、アメリカにも、どこにもないだろう。俺しか作ってないだろう」って。「音楽のどこにも日本的な要素なんかないし、沖縄は日本じゃないし」と、インタビュアーにもカンカンに怒っていました。
─インタビューで常に坂本さんの「日本性」「日本人性」が話題になるわけですね。
坂本:日本人の顔をしているから、日本の音楽をやっているのだろうと思い込んでしまうわけです。その怠惰な精神が許せなくて、いちいち怒っていました。そこには、沖縄のものが「日本的なもの」だと誤解されてしまうことへの危惧もありまして、沖縄と日本では文化がまったく違うのだといったことを一生懸命説明するのですが、なかなか伝わらなかったですね。