2013年12月に京都市で起きた「餃子(ギョーザ)の王将」社長射殺事件で、事件現場付近で見つかった
遺留品から検出されたDNA型が、九州地方の暴力団組員のものと一致したことが、捜査関係者への取材で
わかった。組員が現場に来ていた可能性が高いことを示す物証で、京都府警は組員の当時の行動などを詳しく
調べるとともに、現地の警察と合同捜査本部を設置し、九州方面を集中捜査する方針だ。

 事件は13年12月19日早朝に発生。「餃子の王将」を展開する「王将フードサービス」社長だった大東
(おおひがし)隆行さん(当時72歳)が、京都市山科区の本社ビル前の駐車場で血を流して倒れているのが見つ
かり、搬送先の病院で死亡が確認された。

 大東さんは胸や腹に銃弾4発を撃ち込まれており、弾丸や薬きょうを鑑定した結果、拳銃は25口径の自動式
で、大東さんは運転してきた車を降りた直後、短時間に急所を狙われていたことが判明している。車内に多額の
現金が残されていたため、府警は、何らかの恨みが背景にあり、銃の取り扱いに慣れた人物による犯行との見方を
強めていた。

 捜査関係者によると、遺留品は事件直後、現場付近で発見された。比較的新しく、事件前後に捨てられたものと
みられ、府警の捜査でその後、九州地方に住む組員のDNA型と一致することがわかった。ただ、組員の犯行への
直接的な関与を示すものではなく、また、事件は周到に計画したうえで実行されたとみられるため、府警は、犯人
が捜査のかく乱を目的に置いた可能性も含め、事件との関連を慎重に捜査する。