俺の名前は秋田太郎、東京からの帰りのバス、行きのバスと同じ女が隣に乗ってきた。
女は、顔を赤らめて、運転手のところに行き、降りて行った。
やはり俺の魅力に理性を保てなくなり、夜中に襲ってくる恐れがあったので自ら身を引いたのだと思う。
しばらくすると、隣に秋葉原系の紙袋を持ったオジさんがやって来た。
「いやー、キャンセル取れてよかっだです。ハアハア。どっこいしょ。」
俺みたいないい男の隣に女が乗ったら気を遣うから、こういうオッさんの方がいいのであろう。
バスの運転手グッジョブ。
俺達を乗せたバスは、動きだした、都会の喧騒を抜け、しばらくすると田園地帯になった。
「秋田と変わらないじゃないか」そう思うと、隣から「うごごごごごおg−−−−−−」と騒音がした。
となりの秋葉原ジジイがいびきをしてきた。ロードノイズと相まって、俺の耳に刺激を与える。
「まあこれもバス旅の乙なところだな。」
ハンサムボーイの俺にとってはこんなことは想定内だった。
「さてさて、俺のマイベストのアニソンでも聞くか」
MP3(アイリバー)にため込んだ最新のアニソンを聞きながらしばし横になることにした。