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言葉は文化かい?


「一朝一話」という文献には「立身せんと、朝公儀、三河言葉を似せ廻り」(出世しようとするお役人らは三河弁をまねている)と記され、他藩の武士たちがこぞって新興標準語である三河弁を覚えていたことが分かる。新井白石も「江戸弁の元は三河弁」と記している。

元静岡大教授の山口幸洋さん(68)の研究によると、東京語と三河県岡崎市の話し言葉のアクセントは90%が一致しているという。同県豊橋市では70%▽名古屋市と静岡県浜松市では60%▽関西は約30%。
 山口さんは「武士は、開幕以前からあった関東土着の庶民言葉を一段低く見ており、武家言葉に混じることはなかったと思う。つまり、標準語は400年前の純粋な三河弁の流れをくむ」と説明する。