https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20211112/pol/00m/010/007000c
2021年11月15日


 今回の衆院選で日本維新の会が躍進したのは、大阪府、大阪市で10年改革をやってきて、その成果が浸透し、生活の実感として評価をいただいたためだと思う。

 一方で、国政で全国政党としてやっていくにはまだ難しさがある。維新の改革の実績を全国でもっと理解してもらう必要がある。

 今回41議席となったことで、衆院での党単独の法案提出権(21人以上)を得た。国会議員の定数削減や歳費削減など、自民党がやろうとしない改革の課題について対案を出し、国会で政策論争をする。すぐには実現しなくとも、なぜ自民党では進まないのかという疑問を国民に持ってもらうことで、維新が強くなったほうが改革が進むと思ってもらう。そうなれば自民党も緊張感が出る。

 切磋琢磨(せっさたくま)しながら、改革を進める構図に持っていくことが、これから維新がやるべきことだと考えている。

苦しかった東京での選挙戦
 しかし、やはり東京では、大阪での維新の実績は、まだ実感として受け取られていない。そのうえ、大阪と異なり、東京には地方議員が少ない。業界団体や組合が支援してくれるわけではない。自民党や立憲民主党のような戦い方はできない。東京都知事選(2020年)に出馬した時にも感じたことだが、選挙戦自体が非常に苦しく、つらく、厳しい。

 今までと同じやり方の選挙では、今と同じ勢力にしかならない。大阪府の吉村洋文知事にも応援に入ってもらったが、それでも東京の小選挙区はどこも勝てなかった。来年の参院選を足場に、その後の23年統一地方選で足腰を強くすることが大事だ。衆院選を目指して戦っているだけでは強くなれない。



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