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2021/11/16(火) 22:09:28.32ID:YAc605Dg9毎日新聞 2021/11/16 20:37（最終更新 11/16 21:28） 1256文字
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国会議事堂＝川田雅浩撮影
与野党は、国会議員に月100万円支給される文書通信交通滞在費（文通費）を巡る批判が強まり、慌てて対応を始めている。10月31日投開票の衆院選で当選した衆院議員が10月分を全額受給したことに関し、日本維新の会が「仕事をしていないのにもらうのはおかしい」と問題提起し、世論の批判もあり、各党が法整備などを主張している。
「やはり1日だけの新人、約半月議員だった前職が全額支給されるのは違和感がある」。自民党の茂木敏充幹事長は16日の記者会見でこう述べ、活動実態に合わない受給分を党として取りまとめて寄付する方針を示した。
文通費は、国会法と国会議員歳費法を根拠としている。「公の書類を発送し、および公の性質を有する通信をなす等」の目的で「月額100万円を受ける」ことが決められている。毎月10日と月末に50万円ずつ支給されるが、使途を公開する規定がない。
議員の給与にあたる歳費は2010年の歳費法改正で任期満了や辞職、退職、除名となった場合に日割り支給されることになった。しかし、文通費にはこうした規定がなく、10月は31日の1日しか在職していない新人や元職の計121人も満額の100万円を受け取った。再選した前職も衆院解散の10月14日から同30日の間は議員の身分を失っていたが同様に満額支給されている。
自民が重い腰を上げたのは、維新が情報発信を強めたからだ。維新副代表の吉村洋文・大阪府知事は15日、記者団に文通費に関して「日割りじゃないのは明らかにおかしい」と指摘。松井一郎代表も「永田町の常識は非常識。仕事していないならもらうのはおかしい」として、領収書の公開や未利用分の国庫返還を可能とする法改正の必要性を主張した。
これを受けて自民は16日の役員会で新人や元職については全額、前職については日割り換算で寄付することを決定。茂木氏は「各党、会派で話し合ってもらって適切な対応を検討してもらいたい」と述べ、文通費の日割り支給を可能とする歳費法改正に向けた与野党協議を急ぐよう、高木毅国対委員長に指示した。自民は12月6日召集予定の臨時国会での改正案成立を目指す。
自民以外の各党も相次ぎ対応の検討を進める。立憲民主党や公明党、国民民主党、共産党も日割り支給を可能とする法改正を急ぐ構えだ。公明の山口那津男代表は16日、国会内で記者団に、10月支給分の寄付について自民と歩調を合わせる考えを示した。共産の小池晃書記局長は16日の会見で「日割りにするのは当然だが、抜本解決を求めたい」として金額や使途公開の有無も含めた協議を行うよう求めた。
野党第1党の立憲が代表選の準備に追われる中、維新が発信を強化したことが契機となった。ただ、15年10月1日に衆院議員を辞職した吉村知事が当時、同10月分の文通費を満額受給していたことも判明しており、維新の脇の甘さも露呈した。吉村知事は16日、大阪府庁で記者団に受給した文通費を寄付する意向を示し、「ブーメランが刺さったことは反省する」と語った。【野間口陽、堀和彦】
