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毎日新聞 2021/11/17 01:22(最終更新 11/17 02:49) 606文字




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「ノルド・ストリーム2」に使用される鋼管を点検する作業員ら=2017年9月15日午前11時57分、八田浩輔撮影

 独連邦ネットワーク庁は16日、9月に完成したロシア産天然ガスを海底経由で直接ドイツに輸送するガスパイプライン「ノルド・ストリーム2(NS2)」の認可手続きを一時的に停止すると発表した。ガス価格の高騰が続く中、当初見込まれていた年内のパイプライン稼働は困難な情勢となった。

 NS2を運営する事業会社の「ノルド・ストリーム2AG」はロシアの国営天然ガス企業「ガスプロム」の子会社で、スイスに本拠を置く。




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ノルド・ストリーム2(約1230キロ)

 独メディアなどによると、独連邦ネットワーク庁は書類審査の結果、ドイツの法律に基づいて組織された事業会社だけが認可手続きの対象になるとの結論を出したという。ノルド・ストリーム2AGはドイツの法律に基づく子会社を設立する方針で、子会社が改めて認可を申請する見通しだ。

 認可手続きは、子会社への主要資産や人材の移転が完了するまで中断される。独当局による認可後も欧州委員会による審査が控えており、稼働までには半年かかるとの見方もある。



 ドイツ、ロシア間では、ベラルーシ経由でポーランド国境沿いに欧州連合(EU)を目指す難民・移民が押し寄せている問題を巡り、メルケル首相が10日、プーチン大統領に電話で解決に向けた介入を依頼した。しかしプーチン氏はドイツとベラルーシの両首脳間で解決すべきだとして応じなかった。今回の認可を巡る独側の判断が、移民問題で緊張する欧州とロシアの関係に影響する可能性もある。【ベルリン念佛明奈】