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2021/12/17(金) 10:52:13.80ID:dIGSsQsP9毎日新聞 2021/12/17 09:35（最終更新 12/17 09:35） 993文字
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デモンストレーションで、麻薬のにおいを染みこませた布の入った箱の前に座る麻薬探知犬「ウォーレン」＝千葉市中央区で中央港1の千葉港湾合同庁舎で2021年12月10日午前10時1分、長沼辰哉撮影
物流が増える年末を控え、税関が麻薬や覚醒剤など不正薬物の密輸への警戒を強めている。千葉など6県の11港、3空港を管轄とする横浜税関によると、今年1〜6月に摘発した不正薬物の密輸は、押収量こそ約328キロと前年同期より621キロ減っているが、件数では66件多い254件に上る。手口も巧妙化しているといい、横浜税関千葉税関支署は水際対策を強化している。【長沼辰哉】
横浜税関は、成田税関支署（成田市及びその周辺）など一部を除く千葉と、神奈川、茨城、栃木、福島、宮城の6県を管轄する。千葉税関支署などによると、横浜税関管内の1〜6月の輸入額は6兆6561億円、輸出額は5兆3606億円といずれも前年同期を上回った。
こうした中、不正薬物の密輸が増えている。押収された不正薬物328キロのうち約297キロは、香港からコンテナ貨物で届けられた工業用レーザーマシンの空洞部分に隠されていた。工業用機械だけでなく、乗用車の座席の下、燃料タンクの中、二重に作ったコンテナの壁の中など、ありとあらゆる場所から発見されるという。米から国際郵便で届いたシャンプーボトルの中に液体状の大麻約3・5キロが入った瓶を隠した事例もあった。
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巡回に向かう海上保安部の巡視艇と県警水上警察隊の警備艇を見送る税関職員ら＝千葉市中央区で
受け渡しの手口も変わってきている。不正薬物を日本国内に送り届けるため、外国の男性がSNS（ネット交流サービス）で日本の女性とメッセージのやりとりを重ね、恋愛感情を利用して「日本に住む友人宛ての荷物を受け取ってほしい」と依頼するケースもあったという。
同支署は、麻薬探知犬などを投入して密輸防止に取り組んでいる。同支署によると、第一線に立つ麻薬探知犬は全国に約130頭、横浜税関には9頭が所属し、管内の税関検査場や国際郵便局などを移動しながら活動している。探知犬は麻薬のにおいを嗅ぐと、その場で座り込んでコンビを組むハンドラーと呼ばれる職員に知らせる。探知犬が麻薬のにおいを嗅ぎつけると、ハンドラーは筒状のタオルを与えて褒める。探知犬は、一緒に遊んでもらいたい一心で一生懸命麻薬のにおいを探すという。
このほか同支署は、洋上で船から船へ荷物を積み替える「瀬取り」で不正薬物が持ち込まれるのを防ごうと、海上での巡回も強化している。同支署の横山伸哉署長は「年の瀬は年末商戦で物流が増え、密輸リスクが高まる。海外から密輸される不正薬物などを水際で取り締まっていきたい」と話している。
