https://www.jiji.com/jc/article?k=2021122401084
2021年12月25日07時05分




 名古屋出入国在留管理局(名古屋市)の収容施設でスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡した問題で、収容中の様子を記録した監視カメラ映像が24日、衆院法務委員会に非公開で開示された。これを受け、立憲民主党など野党側は、来年1月召集の通常国会で集中審議を求める方針だ。
 開示された映像は6時間26分。野党筆頭理事の階猛衆院議員(立民)によると、寝たきり状態のウィシュマさんに対し、入管職員が無理やり口の中に食べ物や薬を押し込むといった行為が繰り返されていたという。
 階氏は映像を視聴後、記者団に「(同局の)職員のやっていることは拷問で、常識から逸脱している」と批判。年明け以降、国会での集中審議が必要との考えを示した。
 これに対し、与党筆頭理事の葉梨康弘衆院議員(自民)は、出入国在留管理庁がこの問題について8月にまとめた報告書と映像の内容を比較し、「事実に齟齬(そご)はないという印象を受けた」と語った。
 一方、ウィシュマさんの妹ポールニマさん(27)と代理人の指宿昭一弁護士らは名古屋市で記者会見。指宿氏は「やっと野党議員の要望で映像が上映された。一歩前進だ」と評価。ポールニマさんは「自分たちが受けている苦しみをほかの誰にも味わってほしくない」と訴えた。