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毎日新聞 2022/1/29 08:55(最終更新 1/29 08:55) 456文字




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フランスのマクロン大統領

 フランスのマクロン大統領が廃校にしたエリート官僚養成校「国立行政学院」(ENA=エナ)に代わる「国立公務学院」(INSP)の開校式が28日、東部ストラスブールで開催された。人種や所得階層などフランス社会の多様性を反映した官僚の育成を目指す。

 INSPは、司法や公衆衛生などの上級公務員育成校グランゼコール(高等教育専門機関)を統合した。上級公務員の初期研修を統一することで、省庁間の縦割りによる弊害を排除する狙いがある。奨学金制度を充実させ、幅広い層から優秀な人材を発掘することを目指す。自身もENA卒業生のカステックス首相は「これは国家の最も重要な改革だ」と強調した。



 ENAは1945年にフランスの英雄ドゴール将軍が高級官僚養成校として創設し、これまでに4人の大統領を輩出した。近年では、受験生が経済力のある家庭の出身者に偏り、格差社会の象徴と見られていた。2018年の反政権デモ「黄色いベスト運動」で富裕層に対する批判が強まり、卒業生でもあるマクロン大統領が改革の一環として廃校を決めた。【パリ久野華代】