https://www.sankei.com/article/20220131-5M5VCQDDB5NS5HE6VWMIWWFKFM/
2022/1/31 21:04


https://www.sankei.com/resizer/0TicUIevmYOKHZ2ZRZidd-TT4uk=/1024x682/smart/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/OMR4OUDXRVOG5MK5X76OK5SXNY.jpg
北朝鮮が30日に実施した中距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験。下段は弾頭部に設置されたカメラで地球を撮影したとする写真(朝鮮中央通信=共同)

【北京=三塚聖平】ミサイル発射を繰り返している北朝鮮の金正恩政権に対し、後ろ盾として影響力を持つ中国は黙認の構えをみせている。北朝鮮問題を、関係改善の兆しが見えない米国への圧力に利用する思惑があるとみられる。

今年に入り北朝鮮がミサイル発射を繰り返すようになって以降、中国側は「関係各国が朝鮮半島の平和と安定という大局を見据え、言行を慎むよう呼び掛ける」(外務省報道官)と繰り返し、北朝鮮を非難する発言は行っていない。

むしろ矛先はバイデン米政権に向かっている。中国の劉暁明(りゅうぎょうめい)・朝鮮半島問題特別代表は1月20日、韓国の魯圭悳(ノギュドク)朝鮮半島平和交渉本部長との電話協議で、「米国は『制裁万能論』を捨てるべきだ」と批判。こうした論法について香港紙の明報(電子版)は31日、中国が北朝鮮問題を利用して「米国に責任転嫁し、米政権に圧力を強めるつもりのようだ」との分析を伝えた。

威信をかけた北京冬季五輪開幕が迫る中、中国にも影響を与える可能性がある核実験に踏み込まなければ、習政権は対北擁護の姿勢を崩さないとの見方もある。