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データ野球の行き着く先 大谷翔平が示すその先の世界 [蚤の市★]
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垢版 |
2023/07/17(月) 10:14:06.74ID:6M0JkhbX9
スポーツライター 丹羽政善
拝啓 ベーブ・ルース様

大谷はデータ的な裏付けを踏まえた投球を組み立てていく=USA TODAY
「 VAA(Vertical Approach Angle)※って、どう解釈すべきですか?」とエンゼルスの大谷翔平に尋ねたのは、今年2月のこと。

すると大谷は、「コース次第ですよね」と応じた。

VAAってなんですか?と聞き返されることはなく、いや、知っているであろう前提で聞いているので、そもそもその返答は想定問答になかったが、やはり――と、ひとりごちた。

※VAA=投球がホームベースに到達する時点での角度のこと。地面と平行であれば0度。フォーシームであれば大リーグ平均は-5度程度で、-4度よりも小さくなると、打者の目にはホップして映るといわれる。

5月、日本に一時帰国したときに、トレバー・バウアー(DeNA)ともデータの話になった。それはいつものことだが、大谷のスイーパーに隠された浮き上がってみえる要因について聞くと、「特定の回転軸と回転効率によって縫い目に影響を与え、そういう成分が生まれる」と即答。腑(ふ)に落ちたというよりむしろ安心した。彼もまた、同じ言語を話している。

そもそも、筆者のデータサイエンスにまつわる知識は、ほとんどがバウアーから学んだもの。彼のドキュメンタリー番組の撮影に同行したり、食事をしたりしたときに根掘り葉掘り聞いた。彼が日本へ行った今も、分からないことがあって連絡を取ると、律義に答えが返ってくる。

大谷以外では、エンゼルスにもテイラー・ウォード、ベン・ジョイスら、やはりデータに詳しい、あるいは興味を持っている選手がいるので、彼らと話すと刺激になる。多くのデータはあくまでも机上のもの。それを選手らがどう実際に活用しているか聞くことで、数字に意味が生まれる。また、必ずしもデータには反映されない現象も彼らの言葉の中にある。

VAAが低いクリスチャン・ハビエル(アストロズ)のフォーシームが左投手のフォーシームの軌道と錯覚させる特徴があることは、大谷に教えてもらわなければ、分からなかった。ハビエルに確認すると、彼もその特徴を知っていて、「その軌道が一番いかせる高めへの制球を磨いてきた」と教えてくれた。彼がフォーシームを高めに投げているのは、たまたまではない。

(略)

バウアーは、データの先にあるのは「アート」だと形容した。「ファウルラインをまたいだ瞬間、データのことは忘れ勝負に徹する。それはアートそのものだ」

大谷はどうか。データ的な裏付けも踏まえて作品を完成させていく過程はサイエンスだが、出来上がったものは、見るものの心を揺さぶる。

栗山前監督の指摘した「行き着く先」の輪郭が、見えてきている。

日本経済新聞 2023年7月17日 5:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODH160BO0W3A710C2000000/
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