莫大な資産を持つ家に「入り婿」するとは、どういうことだろう。一族の「選抜」に選ばれた青年は、逆「玉の輿」のようでもあるが、罠があった。信じられないドラマが待ちうけていたのだ。

男子の一子相伝企業
「求めているのは、大切な愛する息子との普通の暮らしです。いま息子は9歳になるところですが、4年以上会えていないし、声すら聞けていない。不法で強権的な手段で息子と引き離された僕は、可愛い盛りの息子との大切な時間を奪われてしまいました。なんとか息子と会いたい、一緒に過ごしたい、その一心だけで闘い続けているのです」

悲痛な表情を浮かべて語るのは、中埜大輔氏(42歳)。「味ぽん」などのロングセラー商品で知られる大手食品メーカー『ミツカン』(本社・愛知県半田市)創業家一族の娘婿だった人物である。



江戸後期の1804年に創業した同社は、非上場ながら現在グループ全体で年商は2700億円に達し、従業員約3700人の大企業だ。経営は同族で支配され、男子の一子相伝で代々の当主が「中埜又左衛門」を名乗り、事業と莫大な資産を引き継いできた。

大輔氏は8代目当主の和英氏の次女・聖子氏(現副社長)と2013年に結婚し、娘婿となった。慶應大卒業後に大手証券へ入社。外資系金融会社へ転職し、婿を探していた中埜家のアプローチによる見合いを経てのことだった。勤務していた香港の金融会社を辞め、ミツカンに入社することが結婚の条件だった。

10時0分 現代ビジネスhttps://news.livedoor.com/article/detail/24801857/