「口訳」で読む「古事記」はなぜこんなに面白いのか?町田康と岸本佐知子が語る「翻訳の秘密」(町田 康,岸本 佐知子) | 群像 | 講談社(1/4)
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10/14(土) 9:03配信

町田康(撮影 森清)

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日本最古の神話「古事記」を町田康が現代語訳した『口訳 古事記』が大ヒットしている。「因幡(いなば)の白うさぎ」、「ヤマタノオロチ退治」……だれもが知っている昔話の原典を、斬新な今の「話し言葉」で甦らせた本書の魅力と翻訳の技について、翻訳家・岸本佐知子と町田康が語り合った。(紀伊國屋書店新宿本店にて開催されたトークイベントを再編集してお届けします)
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古典を読んで爆笑するとは
 岸本 『口訳 古事記』、めちゃめちゃ面白かったです。古典を読んで爆笑するというのは、以前に町田さんが訳された『宇治拾遺物語』以来でした。

 「古事記」は学校で歴史の一部として習って、知ってはいるけれど、今さら読まなくていいもののように思っていたんです。今回、町田さんの訳で初めて触れて、こんなに面白かったのかと。今まで読まなかった自分は愚か者だと思いました。

 でも、「因幡の白兎」とか「ヤマタノオロチ退治」とか、あれもこれも、みんな「古事記」だったんですね。知らない間に知識として自分の体の中に入っていたものが、実は「古事記」の中にいっぱいあった。

 町田 実はそうなんです。童話とか民話みたいな形で、何となくストーリーを知っているんですね。

 岸本 今回読んで一番びっくりしたのは、「この場面は、さすがに町田さんの創作だろう」と思って、もとの「古事記」を見ると、ちゃんと書いてあるんです。

 たとえば最初のほうで、天照大御神(アマテラスオオミカミ)が須佐之男命(スサノオノミコト)を迎え撃つときに、武装してフルアーマー状態の天照大御神がストンピングしたら、太腿まで地面に埋まっちゃう。まさかと思って「古事記」を見たら、本当に「堅庭(かたには)は向腿(むかもも)に踏みなづみ」と書かれている。そういうことの連続で。町田さんがこうして甦らせてくれたことで、今まで知らなかった「古事記」の面白さに触れることができました。

 私、最近自分の国に嫌気が差すことが多くて、ちょっと絶望しかけていたんですが、日本の原点をめぐる物語がこんなにファンキーで自由でエネルギッシュだったのなら、まだいけるんじゃないか、という気持ちになりました。

 町田 ありがとうございます。そういうふうに読んでいただけると、とてもうれしいです。

(略)

※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。

※後編記事
「古事記」の神々は関西弁でしゃべっていた?町田康と岸本佐知子が語る、翻訳の「サウンド」(町田 康,岸本 佐知子) | 群像 | 講談社(1/4):
https://gendai.media/articles/-/117415