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大阪地裁に入る死刑囚の代理人弁護士ら=2021年11月4日午後0時44分、大阪市北区、米田優人撮影

 死刑囚に対し、執行を当日に告知する国の運用は憲法に違反するなどとして、死刑囚2人が4日、国に計2200万円の損害賠償などを求めて大阪地裁に提訴した。死刑囚の代理人弁護士が発表した。原告の名前は明らかにしていない。

 訴状によると、過去に死刑執行を事前に告知していたことがあったが、現在は「死刑囚の心情の安定を著しく害する」として当日朝に告知されているという。死刑制度のある米国では、執行の3カ月前に告知するケースもあるという。

 原告側は、執行直前の告知では異議があっても弁護士に連絡ができず、不服申し立てができないと主張。法が定める手続きによらなければ刑罰を科されないことを定めた憲法31条に違反するなどと訴えている。原告側代理人の植田豊弁護士は「人間の尊厳を守るために、事前告知は重要だ」と語った。

 法務省は「訴訟が係属した際には、適切に対応したい」とコメントした。(米田優人)

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