話題となったUFOロボ グレンダイザーの大型イベント

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「UFOロボ グレンダイザー」フィギュア

2021年10月、1970年代にフジテレビで放送されていたアニメ「UFOロボ グレンダイザー」の46周年記念イベントがパリで開催された。

新型コロナウイルスの影響で1年延期となったイベントにはおよそ3000人のファンが集まった。

「グレンダイザー」は日本のロボットアニメ、マジンガーシリーズの第3作にあたる。日本では第1作のマジンガーZの方が良く知られていることだろう。

ではなぜ第3作の「グレンダイザー」は記念イベントが開催されるほどフランスで人気があるのか?

その謎の答えを求めて「グレンダイザー」イベントに参加してみた!

「Goldorak ExperienZ」イベントと展示会
そのイベントは平日の夜、パリで最も伝統的で、ヨーロッパ最大級の映画館「Grand REX」で開催された。当時のフランス人声優も参加して、フランスでは「ゴルドラック」の名で親しまれる「グレンダイザー」の上映会や、アニメの主題歌などの生演奏などが行われ、大いに盛り上がった。

中にはコスプレ姿で参加した11歳の子供も!約半世紀前の作品に抱く憧れは、グレンダイザーをこよなく愛した両親から受け継がれたものだった。

「お父さんとお母さんと一緒にアニメを見ていました。そのおかげでグレンダイザーを知りました。」

会場の座席は埋め尽くされ、この昭和のアニメが未だ根強い人気を保っていることを感じさせる盛況ぶりだった。

この他にも、パリ中心部にある日本文化会館ではグレンダイザーの展示会が開かれていた。グレンダイザーのフィギュアや放送当時のグッズなども展示され、約1カ月半の開催期間で2万5千人もの熱烈なファンが会場が訪れた。

イベントに合わせてフランスの郵便局は「グレンダイザー」の記念切手も発売した。

グレンダイザーのフランス版マンガ「バンドデシネ」が発売!
更に2021年10月にフランス版のマンガ「UFOロボ グレンダイザー」(ゴルドラック)が発売された。

もともとフランスではマンガは「バンドデシネ」と呼ばれ、日本のマンガとは形式が異なる。バンドデシネはA4よりやや大きめのサイズでハードカバーが主流となっている。日本同様ストーリーはコマ割りだが、すべてカラーで描かれている。

既に人気の「グレンダイザー」をなぜ今あえて、フランスのバンドデシネの形でリメイクしたのか?マンガを出版した「KANA」に今回のプロジェクトの経緯と狙いを聞いた。

ーー「グレンダイザー」を出版する経緯は?

二コラ氏:
「バンドデシネ界では有名な作家グザビエ・ドリゾン氏が子供の頃グレンダイザーファンだったのが理由です。(ドリゾン氏は)自分のグレンダイザーを描きたいがためにプロジェクトを持ちかけてきました。」

通常、バンドデシネは1人ないしは2人のチームで作成されるのが一般的だが、今回のプロジェクトは最終的にフランス人5人のチームを結成した。その狙いは「より完成度を高めるため」「描きたいグレンダイザーに近づくため」だという。

バンドデシネのフォーマットで制作した理由については「作家と画家が一番好んで、慣れているから」と話す出版社の担当者。3年の歳月をかけて完成した作品を「芸術品」と絶賛した。

「芸術品」と言われるほどクオリティの高い作品を出版することができたこと、記念イベントまで開催できた背景には何があったのか?