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ソウルフードと聞いてどのような料理を思い浮かべるだろうか。自分の中で強烈な印象を残している料理、懐かしい思い出の料理など、人によって思い浮かべる料理はさまざまだろう。ここでは、改めてソウルフードとはどのような料理を指すのかを解説する。また、日本とアメリカでのそれぞれの使われ方にも紹介する。

1. ソウルフードって何?
ソウルフードという言葉は日常的に使ったり聞いたりすることが多いが、そもそもソウルフードとはどのような意味だろうか。よく使われる場面としては、「たこ焼きは大阪のソウルフード」、「沖縄そばは沖縄のソウルフード」といったように郷土料理を紹介するときに使われることが多い。また、郷土料理を紹介するテレビや雑誌の特集でソウルフードという言葉を見かけることも多いだろう。

ソウルフードのように、日本ではさまざまな英語が使われている。しかし、海外での意味と日本での意味が異なる場合もあるため、注意が必要だ。ソウルフードはどうかというと、実は和製英語でアメリカではまったく異なる意味になってしまう。円滑なコミュニケーションのためにも、ソウルフードが日本とアメリカでそれぞれどのような意味で使われているのか確認していこう。

2. 日本でのソウルフードの意味
まずは、日本でのソウルフードの意味と使われ方を確認していこう。日本では、ソウルフードは「その地域特有の料理や特産品、また地域で親しまれている郷土料理」(※1)という意味で使われている。ソウルフードは日本語に直訳すると「魂の食べ物」という意味になるため、日本人の魂に刻まれた料理という印象を与える。ソウルフードと聞いて故郷の味を思い浮かべる人もいるだろう。

日本でのソウルフードの例
ソウルフードは地域特有の料理や特産品を指すことが多く、沖縄であれば沖縄そばやポーク卵おにぎりなど、沖縄で生まれた料理や沖縄でしか食べられない料理をソウルフードと呼ぶ。しかし、実際はソウルフードはさらに広い範囲で使われている。たとえば、海外の人に日本料理や食材を紹介する際に、日本のソウルフードといって紹介することもあるだろう。ちなみに、日本のソウルフードといえば味噌を挙げることが多い。そのほかにも納豆やおにぎりなど日本ならではの料理が日本のソウルフードだといえる。また、家庭の味(おふくろの味)もソウルフードに入ってくる。ハンバーグや味噌汁など、家によって味が異なる料理はまさにソウルフードといえる。

3. アメリカの"soul food"の意味
日本では故郷の味や郷土料理を意味するソウルフードだが、アメリカではまったく異なる意味で使われている。ここでは、アメリカでのソウルフードの意味を確認していこう。
"soul food"はアメリカ南部の料理のこと
アメリカで"soul food"というと、「アメリカ南部の黒人の伝統料理」(※1)という意味で伝わる。もともとアメリカ南部はアフリカから連れてきたアフリカ人を奴隷として働かせていた地域で、南部戦争が終わるまで奴隷制度が続いていた。そのときに、奴隷だった人々が食べられた食材はわずかな肉と野菜のみで、それらを使って煮込み料理などが作られていた。南部戦争が終わり、奴隷から解放されるとアフリカ系アメリカ人たちはアメリカ各地へ移動する。その際に、もともと食べていた料理と新しい地域で手に入った食材が組み合わさり、新しい料理が生まれる。これらの料理が1960年代に入ると"soul food"として定着し、現在まで食べられるようになる。