SNSやYoutubeなどインターネット上で動画配信などの活動を続けている「Choose Life Project」(CLP。佐治洋、工藤剛史・共同代表)が一時、立憲民主党から資金提供を受けていたとして、出演者から抗議を受けていた問題。

CLPの佐治洋・共同代表が1月6日、声明を出して経緯を説明。クラウドファンディングで自分たちのファンドを運用できるまでの間、立憲民主党から「番組制作費」の名目で広告代理店や制作会社を通じてCLPが約1500万円の資金提供を受けていたことを認め、佐治氏は共同代表からの辞意を表明した。

この問題をめぐっては、立憲民主党の福山哲郎・前幹事長が報道各社にコメントを発表。「理念に共感したため、広告代理店と制作会社を通じて番組制作を支援した」などと説明。番組内容への関与は双方ともに否定している。

2020年に1500万円を受け取る
声明によると、CLPは2020年3月からの一時期、立憲民主党から「番組制作費」として、広告代理店や制作会社を通じてCLPが資金提供を受けていた。

2016年にCLPを立ち上げた当初は選挙時に投票を呼びかける動画を自費で制作していたが、スタッフや撮影機材に資金が必要となり、手弁当を続けることが困難になっていたという。

立憲民主党との関係については、福山哲郎・前幹事長と話をする機会があり、「フェイクニュースやあまりに不公正な差別が横行する状況に対抗するための新しいメディアを作りたいという理念に共感をいただき、広告代理店・制作会社を通じて番組制作のための支援をいただくこととなった」としている。

同党からは制作費として約1500万円を受け取り、多い時には毎月20本以上の映像制作を行ったという。

この経緯については福山前幹事長も党を通じてコメントを発表。「理念に共感したため、広告代理店と制作会社を通じて番組制作を支援した」などとしている。

「説明責任を果たした後、辞任」
CLPは2020年7月、その理念をまとめて法人化。「公共メディアを作る」としてクラウドファンディングを始めた。

この点については、政党から資金援助を受ける形ではなく、市民の手によって支えられるメディアが必要になると考えた、と説明。

サポーター制度が確立して資金繰りにめどが立ったことを機に、立憲民主党に資金提供の終了を依頼したという。

しかし、CLPはこうした経緯をクラファンのサポーターや視聴者、出演者に説明しないまま、動画の配信や寄付の募集を行っていた。

佐治氏は「視聴者や出演者の皆さまに対する裏切りであり、モラルを著しく欠いた態度であった」などとコメント。「この件についての説明責任を果たした後、速やかに共同代表を辞任いたします」としている。

CLPの継続・解散の判断や第三者委の設置などは今後検討する方針だ。また、クラウドファンディング以前の動画は公開を止め、それ以降のもので出演者が非公開を望む場合は止めるという。

なお、声明では「資金提供期間に特定政党を利するための番組作りはしていません。立憲民主党からCLPや番組内容への要求・介入はありませんでした」とし、同党に対しても謝罪した。

福山前幹事長は2020年11月に学術会議の任命拒否問題でCLPの番組に出演しているが、前述のコメントでは「自立までの間の番組制作一般を支援したもの」と強調し、番組内容への関与を否定している。

【解説】
CLPのホームページより。「自由で公正な社会のためにー公共のメディアをめざす」とうたっている。

佐治氏は声明で、政党から資金を受けながら公にしなかった理由について、こう説明している。