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ルパン二世が普通に登場する『ルパン三世 PART1』のビジュアル。原作:モンキー・パンチ (C)TMS

斬鉄剣も二世がいなければ登場していない?

ルパン二世が普通に登場する『ルパン三世 PART1』のビジュアル。原作:モンキー・パンチ (C)TMS
 アニメ『ルパン三世』(原作:モンキー・パンチ)の主人公ルパンは、大怪盗アルセーヌ・ルパンの孫です。さて、三世というからには、当然ながら二世もいるということになります。

 そんなルパン二世こそ、初代のアルセーヌ・ルパンと我らがルパン三世を結ぶキーパーソン。ぜひともその人柄に関して知りたいところです。とは言っても秘密主義のルパンのことですから、そうやすやすと自分の父親の話なんてしない……と思いきや、一般的にはさほど知られていませんが、ルパン三世の父親、ルパン二世は割と当たり前のようにアニメで描かれているのです。

 ルパンのお父さんとはいかなる人物だったのか? 媒体によって設定が異なるので、この記事においてはTVシリーズに登場するルパン二世の描かれ方を紹介します。

※以下、少々ややこしくなるためルパン三世はルパン、ルパン二世のことは二世と呼称します。

●回想ながらも普通にセリフありで登場する二世
 初代アニメ『ルパン三世 PART1』で二世が初めて登場するのは、第7話「狼は狼を呼ぶ」のエピソードで、すでにこの時彼は故人となっていました。ルパンが五ェ門の「斬鉄剣」にまつわる秘伝書を「ルパン家の誇りの問題」として狙うというエピソードです。その過程で、「斬鉄剣」が父・二世の扱っていた短剣がヒントになって誕生したことが明らかになります。

 さて、その回想のなかで登場した二世は、ルパンそっくりの顔立ちにして服装はシルクハットに片眼鏡とマントと、アルセーヌ・ルパンを踏襲した出で立ちでした。相対する敵の刀を見るや、「そんなナマクラじゃ大根だって斬れやしないぜ」と乾いた笑い声をあげるなど、飄々とした雰囲気をまとっていました。

 この回ではルパンが父親のことを、「ルパン二世」と呼んでいることも印象的です。ちなみに、五ェ門の代名詞的なセリフ「またつまらぬものを…」は斬鉄剣ありきのもの。ということは、このセリフは二世がいなければ誕生していなかった……ということになるでしょう。

 第21話でも回想で二世が登場します。二世の元相棒で、彼の死後にすっぱりと引退したケン牧田という男がおり、彼の娘が牧場に幽閉されているのを知ったルパンが父の「恩返し」として救出に向かうというエピソードでした。二世の死で泥棒稼業から足を洗ってしまう人物もいるあたり、いかに二世が魅力的な人物だったのかが間接的に読み取れます。また7話と異なり、ルパンが二世のことを「俺のオヤジ」とはっきり呼んでいる点は重要でしょう。