益田市など島根県西部の海岸に、正体不明の固形物が多数漂流したことが24日、分かった。現時点で漁業被害は確認されていない。漁業協同組合JFしまね益田支所は、常温で固体の石油製品「マイクロクリスタリンワックス」ではないかとみており、浜田海上保安部や県が調べる。

 県益田県土整備事務所などによると今月上旬、益田市高津町の持石海岸の波打ち際に帯状に大量に散乱しているのを地元住民が見つけ、市に報告した。黄土色で粘り気があり、大きい物で全長20センチ、重さが2キロほどある。油の臭いが漂い、太陽に当てると表面に水滴が付着する様子を確認した。

 24日には市民や建設業者、県職員35人が持石海岸や益田港(益田市高津8丁目)で清掃活動を行った。プラスチックや網などの不法投棄物にまぎれたり、砂を含んだりした状態になっており、1時間半で、ごみ袋60袋分収集した。

 清掃活動を企画した万葉の里高津未来の会の男性(78)は「海岸漂流物でこのような物は見たことがない。漁業への影響もないとは言えないので、これ以上増えてほしくない」と不安を募らせた。

 持石海岸を管理する益田県土整備事務所管理第二課の水澄正樹課長は「現時点では固形物の正体、性質について断定はできないので、今後調査する」と述べるにとどめた。

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