アップルの自律走行電気自動車(EV)開発プロジェクトがベールに包まれたまま進められる中、「アップルカー」を支える製造供給網に対する予測が出ている。韓国メディア「アジアタイムズ」が報じた。

海外メディアや業界によると、アップルの自律走行車製造の協力会社として、中国のフォックスコンやラックスシェア(Luxshare)などが有力候補にあがっている。フォックスコンはアップル機器の組み立て、ラックスシェアは中国の完成車会社チェリー(Chery)の電気車製作などで力量を認められている。

アップルは、電気自動車の「心臓部」であるバッテリー供給については市場特性による多様化戦略を取ると予想される。米国市場で販売されるアップルカーにはLGエナジーソリューション(LGES)、SKオン、サムスンSDIなどの韓国国内バッテリー3社の製品が搭載されるものと期待される。中国市場での発売では、現地の有力企業であるCATL・BYDバッテリー搭載が有力視されている。

3日(現地時間)、海外IT専門メディア「マックルーマーズ」は、台湾のデジタイムズの報道を引用し、最近アップルがアップルカーを組み立てるための諸作業に着手したと明らかにした。

デジタイムズの報道によると、有力なアップルカーメーカーとしては、中国のフォックスコンやラックスシェアなどが取り上げられている。

フォックスコンはiPhoneやAirPodsのようなアップル機器の長年の生産ノウハウを持っている。また業界では電気自動車プラットフォームMIH保有、ステランティス・ピスカーなど自動車メーカーとの協力経験などを活用し、フォックスコンがアップルカー供給網で立地を構築できると分析している。ラックスシェアも最近、中国チェリー自動車と電気車製造を巡る協約を交わすなど、両社共に製造力量を認められている。

デジタイムズは、「中国市場の場合、アップルが自社製品の大半、または全てを中国基盤の製造者開発生産(ODM)で生産することを考慮しなければならないだろう」と伝えた。さらに、「ラックスシェアの最近の自動車市場への進出は、中国の戦略的開発計画と一致しているだけでなく、アップルカーの中国市場への進出とも合致している」と分析した。ただ、業界ではアップルがアップルカーの生産を巡りフォックスコンやラックスシェアと直ちに協力する可能性は低いと見ている。

デジタイムズはまた、米国に供給されるアップルカーに搭載される有力な電気自動車バッテリーの供給先として、LGES、SKオン、サムスンSDIの韓国製バッテリー3社を挙げた。また、米国と共に代表的なグローバル電気自動車市場である中国では、自国の保護主義性向を考慮すると、ほぼ全ての物量を現地で生産しなければならないと観測した。これを受け、中国で販売するアップルカーにはCATL、BYDなど自国を代表するバッテリーが使われると見通した。

一方、業界ではアップルカーの発売が予測よりさらに遅れるだろうという見方も出ている。マックルーマーズはアップルが2024年にアップルカーを出すと見通した過去のロイター通信の報道に否定的な立場を示し「アップルが電気車設計と道路走行テストを終えたと診断するには早い」と明らかにした。

アップル製品専門アナリストのクォミンチ台湾TFインターナショナル証券アナリストは「アップルカーの発売は早ければ2025~2027年」とし「自律走行車市場の変化とアップルの高い品質基準を考慮すると、2028年以降に延期されてもおかしくない」と述べた。

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