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立ちション跡。右には植栽。左には車が

〈我慢出来ずに車寄せて立ちションしたら御用地で機動隊に見つかり10分で6人に囲まれ小便の跡を指差して写真を撮らされ赤坂警察に連行されて始末書書いてました〉──3月23日、ツイッター上のこんな投稿が話題になった。赤坂御用地前で立ち小便をしたところ、複数台のパトカーが集結する“大捕物”になったそうで、4000件近いリツイートに加え、〈水に流せない〉〈さぞ憔悴(小水)したんやろなぁ〉とリプライ欄は大喜利状態になった。

 ネット上のニュースまとめサイトにも転載され、一躍時の人となった投稿者は、29歳男性のアカウント名「キャプテン・リバブル」さん。当日の一部始終について、リバブルさん本人に話を聞いた。

「御用地前を車で運転していたのは、千葉でのゴルフコンペからの帰り道でした。18時ごろにカントリークラブを出て、眠気覚ましにコーヒーを飲みながら京葉道路を運転していたのですが、帰り際にトイレに行かなかったことが祟ったのか、一之江か小松川あたりですでに猛烈な尿意に襲われていました。

 霞ヶ関にたどり着いたところで限界を感じたので、何も考えずに高速道路を降り、とにかく車道が広いところに出ようと思った。正直、このあたり一体がどこであるかの意識は全くなかったんです」

 リバブルさんは車両を左に寄せ、ハザードランプを焚いて停車し、道路脇の植栽に駆け寄った。

「植栽に先端を突っ込む形で放尿しました。過去一番に我慢していたため、30秒近くは放尿していたと思います。その最中に機動隊の方がやってきて、まず『ここは駐車禁止ですよ』と注意されました。驚きましたが放尿を止めることができず、音を聞いたのか『放尿されてます?』と聞かれたので『はい、本当にすみません』と謝りました。

『ここ、どこだか知ってますか』と聞かれ、つい『知りません』と答えると、『ここ、御用地前なんですよ』と言われ、気がつくと6名の機動隊の方に囲まれていた。『これから赤坂警察署で始末書を書いてもらうので、その前に写真撮影させてください』と、自分が小便した箇所を指差すよう指示され、そのまま自分の尿で濡れた石畳と植栽の写真を撮りました。その後、私の車の助手席に機動隊の方が座り、先導するパトカーについて行く形で赤坂警察署に向かいましたが、通行人や車からの視線がとても痛かったです。自分がしてしまったことへの後悔と、これからどうなるんだという恐怖で心がいっぱいでした」

 リバブルさんはその後、赤坂警察署の取り調べ室で事情聴取の上、始末書を書いたという。路上での放尿、いわゆる「立ちション」は軽犯罪法違反に該当する場合があるが、リバブルさんの場合は始末書の記入で帰宅を許された。グラディアトル法律事務所の清水祐太郎弁護士が解説する。

「路上での小便行為は、軽犯罪法第一条の『街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者』に該当する、軽犯罪法違反行為として罪に問われ、1日以上30日未満の拘留または1,000円以上1万円未満の科料が科される可能性があります。

 しかし、軽犯罪法の適用には『国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない』という条件があり、『情状に因り、その刑を免除』されることもあるため、やむを得ない場合の立ちションは警告のみで終わるケースもあります。今回のキャプテン・リバブルさんの場合も、機動隊や警察官の指示に素直にしたがったことなどが考慮され、始末書を書くという警告行為に留まったのだと考えられます」

 リバブルさんは反省しきりの様子だ。

「機動隊の方に聞いて改めて学んだのは、まず御用地という場所でなくても、公共の場所での立ちションは絶対にしてはいけないということです。今回は寛大な処分としていただきましたが、もう二度と立ちションはしないと心に留めました。頭が真っ白になるまで我慢する前に、少しでも尿意があればこまめにトイレに行くことを徹底したいです」

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