口癖は「僕という人間は…」
 山田あきおさん(35歳、仮名)は、吉村まい子さん(35歳、同)と交際に入っていたのですが、3回目のデートを終えて「いろいろと考えたのですが、やはり交際を終了したいです」と連絡を入れてきました。終了の理由が、こうでした。

「僕という人間は、人には常に優しさを与えたいと思っています。なので、こちらの気遣いに対して、同じくらいの量の気遣いを返してくださる女性が理想です。まい子さんの場合、メールを入れるのはいつも僕から。デートに誘ったり、その日時決めをしたりするのも僕からです。必ず返事は来るのですが、女性からの積極的なアクションもないと、こちらのモチベーションも下がってしまいます」

 さらに、こう続けました。

「僕という人間は、考え方もアクティブですし、体を動かすことも好きです。休みの日に家にずっといるようなインドアなタイプの女性は合わないと思うんです。まい子さんは、休みの日は用事がないとずっと家にいて、ネットフリックスとかアマゾンプライムを見て過ごすそうです。そうした趣味も合わないと思いました」

 なるほど、この2人は相性が合わなかったのでしょう。ただ、私が気になったのは、あきおさんが話すときにいつも、「僕という人間は」と最初に自分を定義し、「僕という人間にピッタリ合う女性こそが結婚すべき相手である」と決めつけているところです。
 
「合わないからこそ、面白い」。自分とは違うことを面白がれる柔軟さが、結婚には必要だと思いませんか。

「私って、お金のかかる女なの」―その発言、かっこいいですか?
 その女性版もいます。

 先日、婚活パーティーに参加した岡村せいいちさん(48歳、仮名)は、太田みやこさん(41歳、同)とマッチングをしました。会場を出てお茶に誘うと、「軽く飲みながら食事をしませんか?」と言われたそうです。

 そして、彼女がよく行くというワインバーに行きました。せいいちさんが、「僕はワインには詳しくないから、選んでください。お任せしますよ」と言うと、彼女はワインと料理を、手慣れた感じでオーダーしました。

「私って、フランス大好き人間なんですよ。20代、30代の頃、よく旅行で訪れて、そのときにワインに興味を持ったんです。フランスのワインは地域によって味も違って…」

 そこから、“どう違うのか”の説明が始まったそうなのです。ですが、せいいちさんは、そもそもお酒をあまり飲まないタイプ。ワインにも興味がなかったので、「へえ、そうなんですね」という相づちしか打てませんでした。

 料理が運ばれてくると、今度は、その料理の詳しい説明が始まります。チーズの盛り合わせがくると、チーズの種類の話。普段、チェーンの居酒屋やファミレスにしか行かないせいいちさんは、この段階で、「僕にはとてもお付き合いできる女性ではないな」と思ったそうです。

 そこで、こんなことを言いました。

「みやこさんはグルメなんですね。お金もすごくかかるでしょう?」

 すると、彼女は涼しい顔で答えてきました。

「そうですね。私って、お金のかかる女なんですよ。で、どういうわけかこれまで、そういう私を楽しませてくれる男性とばかりお付き合いしてきたんです。私って、そういう星のもとに生まれてきたんでしょうね」