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窮地に追い込まれた福山哲郎氏

 夏の参院選で注目される京都選挙区(改選数2)に、立憲民主党の福山哲郎前幹事長(60)を脅かす対立候補がとうとう登場した。かねてからの宣言通り、日本維新の党が候補者を擁立してきたのだ。バックには、国民民主党の前原誠司代表代行(59)の影もチラリ。前哨戦と言われた府議補選で大惨敗を喫したばかりの立民。いよいよ万事休すか――。

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著名人でなくて良かった
「藤田文武幹事長が京都選挙区を『最最最最重要地区』と発言するなど、維新は相当力が入っていた。てっきり著名人を立ててくると思っていましたが、意外にも無名の人でしたね」

 こう語るのは、京都政界関係者である。4月15日、維新は同区で、大阪ガス社員の楠井祐子氏(54)を公認候補とすると発表した。同社で広告や営業を担当していた新顔のサラリーマンである。公示まで2カ月しかない、ギリギリのタイミングでの発表だった。

「本当はもっと知名度のある候補者を立てたかったのではないか。立民関係者は『誰もが知っている著名人が出てきたらヤバい状況だった。この候補ならまだ戦える』と胸をなでおろしています」(同)

 だが、相手が無名の新顔であろうと、福山氏は厳しいと見る向きが多い。京都選挙区は定数が2。自民、立民、維新、共産が2議席をかけて争う展開となるが、「前哨戦」と言われた10日に投開票された京都府議補選(北区)で立民が惨敗したからである。制したのは初めて候補者を擁立した維新だった。

2000票持っていかれた
「今回の補選は、昨年12月に自民党府議が公職選挙法違反で略式起訴され、議員辞職したことで行われたものです。立民は泉代表のお膝元だったにもかかわらず、不祥事を起こした党にすら負けた。共産党よりも下の最下位だった」(同)

 具体的な得票数を見れば、いかに維新旋風が巻き起こっているかがわかる。

「投票率は約39%と低かった。つまり浮動票はあまり動いていないということ。そんななか維新は、2位の自民党候補から約1700票も上回る約1万1100票も獲得した。各党が持っている基礎票が引きちぎられたわけで、約6300票しか取れなかった立民からも2000票くらい持っていかれている。公明党は今回、自民の不祥事を嫌い支援しませんでしたが、一部、維新に流れたと言われています」(同)

 この勢いで、維新はいざ参院選に討って出るのである。さらに、京都の大物議員である国民民主党の前原誠司代表代行も、維新の支援に回ると見られている。

前原氏が公認候補選びに関与?
「前原さんは、維新が出てきたら支援に回ると前から宣言しています。福山さんに対して『支援する義理はない』とも。そもそも、前原さん自身が、維新の候補者選定に関与していたのではないかとも囁かれている。候補に選ばれた楠井さんは、前原さんのお膝元である山科区が地元。さらに、勤め先の大阪ガスの労組は国民民主党系です。今や『福山憎し』を隠そうとしない前原さんならば、十分考えられる話です」(地元議員)

 立民内部からは、「前幹事長の福山氏が落選ともなれば、泉代表の責任問題に発展しかねない」との声も出始めている。党としても踏ん張りどころであるが、流れが変わる兆しは見えてこないままである。

デイリー新潮編集部

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