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2022/04/22(金) 11:39:44.27ID:CAP_USER陸自第1師団に新編された「第1偵察戦闘大隊」
1都6県の防衛警備を担当するのが陸上自衛隊練馬駐屯地(東京都練馬区)に司令部を置く第1師団だ。ルーツをたどると、警察予備隊時代である1950年12月29日、越中島駐屯地(江東区)に創設された第1管区総監部である。その後、幾度かの改編、移駐を行い、62年1月18日、第1師団となった。
当時から今に至るまで、首都防衛の重要な部隊であることに変わりはない。そこで「政経中枢師団」とも呼ばれる。
その第1師団は、創立60周年を祝して、4月10日、創立記念行事を開催した。コロナ禍だが、観覧は事前申し込み制にするなど、感染拡大防止に努めて、晴れの日を迎えた。来賓として、東京都の小池百合子知事も参列した。
歴史ある第1師団だが、今年度から新しく生まれ変わった。より首都圏防衛に特化した地域配備師団へと改編された。
具体的には「第1偵察戦闘大隊」という部隊を朝霞駐屯地(埼玉県和光市など)に新編した。これまであった第1戦車大隊と第1偵察隊を統合した。これにより、第1師団から「戦車」が消えた。
第1師団は冷戦終結後も「首都圏に侵攻してきた敵と戦うには、戦車の打撃力は必要」との考えを変えなかった。そこで、2012年、実戦部隊として初めて最新鋭の10式戦車を配備した。この戦車は、戦車間や各部隊をネットワークでつなぐことができる。情報共有が容易なので、敵が潜伏できる場所が多い市街地戦闘で期待された。
さらに時代は「迅速かつ確実な任務」を遂行できる能力を求めてきた。
結果、防衛省は「移動に時間のかかる戦車は、本州エリアには必要なし」という大胆な戦術を打ち立てる。とは言いながらも、敵が戦車や装甲車を有している以上、強固な打撃力も必須だ。そこで、戦車のような砲塔を持ち、足回りを装輪(タイヤ)式とした「16式機動戦闘車」が誕生する。
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16式機動戦闘車
今後は、いくつかの師団などに、16式機動戦闘車を主たる装備とした「偵察戦闘大隊」と「即応機動連隊」を編成していく。第1師団は、その1つとして、第1偵察戦闘大隊を新編した。
この部隊は、偵察中隊と戦闘中隊という2つの部隊が主力となる。16式機動戦闘車は、戦闘中隊に配備される。第1戦車大隊は廃止されたものの、同部隊にいた人員の多くは、戦闘中隊へと異動してきた。
第1師団は、首都防衛の武器として、打撃力だけでなくスピードも加え、よりシームレスに任務遂行できるようになった。この度の改編は、武力侵攻事態だけでなく災害派遣においても効果を発揮することだろう。
日本の心臓部を守る第1師団は、国民の信託に応えるため、歴史と伝統にとらわれずに進化し続けていく。
■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。講談社フライデー編集部を経てフリーに。陸海空自衛隊だけでなく、米軍やNATO軍、アジア各国の軍事情勢を取材する。著書に『自衛隊の戦力―各国との比較』(メディアックス)、『陸自男子―リクメン』(コスミック出版)など。
訂正 14日発行で「和久井朋之」とあるのは「名久井朋之」の誤りでした。「東北絆祭り秋田」の開催は5月28、29日です。
https://www.zakzak.co.jp/article/20220422-7WHRUCX3SNPU7IAFOLWZ5SDTUU/