北朝鮮は25日、抗日部隊「朝鮮人民革命軍」創設から90年の記念日を迎えた。韓国軍消息筋によると、平壌の金日成広場で同日午後10時から、軍事パレードが始まったことを把握したという。韓国の聯合ニュースによると、韓国軍は予行演習ではない可能性が高いと判断しているという。韓国軍は25日午前0時から約2万人の兵力を動員した歴代最大規模の軍事パレードが開かれる可能性があるとみて注視していた。韓国メディアは、当時平壌付近に降雨の予報が出ており、北朝鮮が天候を理由に延期した可能性があると報じていた。

 北朝鮮は2021年1月にも夜間にパレードを実施したことがある。午前0時からのパレードは20年10月と21年9月の2回あった。いずれも夜が明けてから報道があり、今回も同様のタイミングで報じられる可能性がある。

 北朝鮮専門サイト「NKニュース」は24日、直近の衛星写真を分析した結果、地方幹部らを乗せているとみられる高麗航空の飛行機が活発に動いていたり、軍事パレードの訓練場の横に数十台のバスが止まっていたりする状況から、準備が進んでいると報じていた。予行演習などの様子から、北朝鮮が開発を進めてきた極超音速ミサイルや大陸間弾道ミサイル(ICBM)を登場させた可能性があるとみられている。

 昨年9月のパレードは民兵組織の労農赤衛軍を中心に実施し、ICBMなどの戦略兵器は登場しなかった。今回は最近の新型ミサイルが登場したかどうかや、金正恩朝鮮労働党総書記が出席して演説したかに注目が集まる。

 一方、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は25日、社説で「敬愛する(金正恩)総書記同志の周りに結集」と訴えたほか、中央写真展覧会の開幕や記念切手の発行を報じた。【ソウル渋江千春】

https://mainichi.jp/articles/20220425/k00/00m/030/253000c