「復帰」50年5・15沖縄現地闘争は、ウクライナ戦争下で激しく進む中国侵略戦争に向けた日米安保体制と基地のさらなる強化——「沖縄戦前夜情勢」と対決し、沖縄の労働者・学生・人民を先頭に打ち抜かれた。これに続き、米大統領バイデンの来日を迎え撃つ5・22~24連続闘争の高揚を、首都東京で学生・青年を先頭に実力闘争としてかちとろう。第3次世界大戦の危機を反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命へと転化する労働者の大反乱をつくりだそう。
日米安保うち砕く新たな闘い始まる
 「復帰」50年の沖縄の現実は「復帰前と何も変わらない」どころではない。名護市辺野古では「負担軽減」の名目で新基地建設が強行され、宮古島や石垣島にはミサイル部隊を始め自衛隊が送り込まれ、島全体が要塞化されつつある。沖縄戦の教訓「軍隊は住民を守らない」「軍隊は住民に銃を向ける」が示すように、帝国主義の軍隊と戦争で守られる命などない。
 この現実に対する沖縄の怒りで「祝賀式典」は完全に包囲され、岸田は怒りのコールが響く式典会場から脱兎(だっと)のごとく逃げ去った。一方で米大統領バイデンは「日米同盟はかつてないほど強固」「沖縄の貢献に感謝」とメッセージを寄せ、駐日大使ラーム・エマニュエルはあいさつで「世界は再び、抑圧と露骨な力を行使して覇権を手に入れようとする国家の脅威に直面している」と中国をも念頭にロシアを非難。「自由は無償ではない」として「代償」を求めた。アメリカ帝国主義の言う「貢献」「代償」とは、日米同盟と帝国主義戦争のために沖縄の人々の命を差し出せということだ。
 23日の日米首脳会談での共同声明に、中国の行動を共同で「抑止し対処する」方針が明記されようとしている。「共同抑止」とは実際の戦闘行為であり、米海兵隊の「遠征前進基地作戦(EABO=エアボ)」で明らかなように、南西諸島をウクライナのような戦火の中にたたき込むものだ。
 これに対して5・15沖縄闘争は「日米安保体制を根底から覆す、戦争を必要とするこの社会を根底から変える」(5・14集会基調報告)闘いを切り開き、復帰50年式典に込めた日米帝国主義のもくろみを打ち砕いた。革命の火薬庫・沖縄から沖縄米軍基地撤去=安保粉砕・日帝打倒へ、新たな闘いの出発点が築かれた。
対中国戦争同盟=クアッドを許すな
 「すでにわれわれは第3次世界大戦のさなかにある」——北大西洋条約機構(NATO)の元最高司令官が5月9日、NHKのインタビューにこう答えた。18日にはフィンランドとスウェーデンがNATOに加盟申請書を提出し、「中立」からの歴史的転換を決断した。まさに世界戦争開始という情勢下で日米首脳会談・クアッド首脳会合が開催され、日米安保とクアッドを対中国戦争同盟として固めようとしている。
 日帝はここでの合意を国際公約として中国侵略戦争参戦に向け、改憲と大軍拡に一気に踏み出す。岸田政権は11日、経済安保推進法を成立させた。「安全保障」の名で国家権力による監視・弾圧を常態化し、国家総動員体制を構築することが狙いだ。世界戦争を阻止するのか否かの歴史の分岐点で、今こそ体を張って戦争会議を粉砕する時だ。