懐かしのバイクを令和の時代に走らせる2人組がいる。旧車イベント(7月31日、道の駅かぞわたらせ)の二輪車コーナーで脚光を浴びたのは、ホンダのパルシリーズだ。

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パルフレイ(手前)とパルホリデー【写真:ENCOUNT編集部】

時代を先取りした奥様向けの“おしゃれなホームバイク”
 懐かしのバイクを令和の時代に走らせる2人組がいる。旧車イベント(7月31日、道の駅かぞわたらせ)の二輪車コーナーで脚光を浴びたのは、ホンダのパルシリーズだ。

 同シリーズは4タイプあり、それぞれ少しずつ性能やデザインが異なる。パルホリデーとパルディン、そしてロードパル、パルフレイは女性向けで、スクーター以前の50ccファミリーバイクブームを起こした昭和の名車だ。

 50代男性が乗るのは1978年式の青のパルホリデー。「高校生のときにおふくろがロードパルに乗っていました。高校生のときから欲しかったバイク。未登録で保管してあったものを昨年買いました」という憧れの車体だった。

 価格は当時7万9000円。現在では、中古市場でも値が上がっているという。

 一方で、20代男性が乗るのは白のパルフレイだ。

 先に発売されたロードパルは、当時CMにイタリアの大女優ソフィア・ローレンや大竹しのぶが出演した。タップスターターと呼ばれるペダルを3回踏み、左レバーを握るとエンジンがかかるユニークな仕組み。ローレンが「ラッタッタ」の掛け声で踏んだことから、“ラッタッタのロードパル”の愛称で人気を集めた。今でもスクーターを「ラッタッタ」と呼ぶ高齢者がおり、商品名と間違う人もいる。

 後続のパルフレイのターゲットは“奥様”だった。当時のホンダのリリースには、「ショッピングや日常の足として手軽に使える奥様向けの“おしゃれなホームバイク”」と紹介されている。価格は7万5000円だった。

 男性は「今どきこんな形のバイクない。スクーターとも違う。面白くないですか」と笑顔。女性のスカートが巻き込まれないための工夫もあり、時代に先駆けたバイクの色あせない魅力を伝えていた。ENCOUNT編集部

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