参院選の応援演説中に銃撃され、死亡した安倍晋三元首相が会長を務めた自民党の保守系議員連盟「創生日本」が、会長不在のまま活動を継続することが分かった。安倍氏の遺志を継承するため、生前の取り組みを学ぶ勉強会を月内にも始める。関係者が16日までに明らかにした。

議連は8日、幹部会合を開き、今後の運営方針について協議した。当面は後任の会長を置かず、安倍氏の「四十九日」後となる今月下旬にも活動を再開することを確認した。再開後初の勉強会では、安倍氏の葬儀で昭恵夫人があいさつの中で引用した幕末の志士、吉田松陰の「留魂録」を取り上げる。

議連は安倍氏の経済政策「アベノミクス」や憲法改正、外交・安全保障といったテーマごとに講師を招き、勉強会を行う方針だ。保守の旗振り役だった安倍氏が死亡したことによって自民の「岩盤支持層」といわれた保守層の離反が懸念される中、党内の保守系議員の糾合を目指す。

議連幹部は「本当は参院選後に安倍氏に講師役をしてもらう計画だった。安倍氏の考え方や政策を学び、今後の政治に生かしていきたい」と語った。

創生日本の前身は、第1次安倍内閣が退陣した平成19年に中川昭一元財務相が立ち上げた「真・保守政策研究会」で、21年の中川氏の死去に伴い安倍氏が会長に就任した。24年の総裁選では安倍氏の勝利を後押しした。第2次安倍内閣発足後はほぼ休眠状態にあったが、令和2年10月、首相を辞任した安倍氏を慰労する目的で東京都内のホテルで会合を開いていた。

議連には中曽根弘文元外相や衛藤晟一元少子化問題担当相、高市早苗経済安全保障担当相ら自民の国会議員約130人が所属している。(広池慶一)

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