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警備に囲まれ一般弔問の長蛇の列に並んだベッカム氏(ロイター)

 元イングランド代表主将のディビッド・ベッカム氏(47)が、9月16日、8日に崩御したエリザベス女王の棺が安置されているロンドンのウェストミンスター・ホールに向かって続く一般弔問の長蛇の列に並び、敬愛する女王に別れを告げた。

 BBCを始め、英メディアが一斉に報じたところによると、ベッカム氏はスーツ、コート、ネクタイ、そしてハンチング帽も黒を着用して喪に服すと、13時間も一般弔問の列に並び、エリザベス女王への哀悼を示したという。

 英大衆紙「ザ・サン」の報道では、この際、ベッカム氏にはVIPとして国会議員に許された参列免除の特権がオファーされたというが、元イングランド代表主将はこれを拒否。英民放ITVのインタビューに応じたところによると、「84歳の女性はハイヒールを履いて参列している。90歳の紳士も黙って並んでいる。みんなこうして並ぶことで敬意を示し、女王の人生を祝福しようとしている」と話して、あくまで国民の一人として女王の弔問を行うという態度を崩さなかった。

 午前2時に参列した理由としては「この時間から並べば、行列もひと段落しているだろうと思ったが、どうやらみんなも同じことを考えていたようだ」と話して、苦笑を隠しきれずにいた。

 またベッカム氏は、イングランドの主将時代を思い出し、「スリー・ライオンズ(イングランドの紋章)のユニフォームを着て、国家を歌った。その度に毎回、気力がみなぎり、万感の思いを抱いた。本当に特別な体験だった」と話して、君主のエリザベス女王を”神が守る”と歌い、代表チームを率いたことに誇りを示した。

 エリザベス女王との特別な思い出としてOBE勲章の授賞式を挙げ、「熱烈なロイヤリスト(王室支持者)だった祖父母を連れて行った。その時に質問をして、お話もできた。私のように女王陛下と直接対面した思い出があることは本当に幸運なことです。亡くなられたことは本当に悲しいが、同時に彼女の偉大な人生を祝福し、この日を生涯覚えていたい」と参列について語り、2003年に直接手渡された栄誉の感慨に耽ると同時に、偉大な女王の崩御の現実を真正面から受け止めようと努めていた。(英通信員・森 昌利)

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