ソウル市内では1億円以下の中古物件は存在しないと言われるほどに韓国の不動産価格高騰がひどいことになってきた。

そうしたウラで、さらに衝撃的な騒動が起きて、いま韓国中で大注目となっている。

それは韓国民放テレビJTBCのニュース番組と7月28日、81万人の登録者を持つYouTubeの「CBSキム・ヒョンジョンのニュースショー」で報告されたもので、韓国京畿道のある新築高層マンションに入居した住人が部屋の異臭に気づき調べたところ、天井裏から黒いゴミ袋が出てきて、その中身は紛れもない人糞であったというのだ――。

しかも、この一報を受けて、不動産関係者たちが「十分にあり得ることだ」とコメントをし始めたから、さらに騒動に火がついている。いったい、いま何が起きているのか。その最前線をレポートしよう。

いったい、何が… photo/gettyimages
韓国マンション建設の「トイレ事情」
「CBSキム・ヒョンジョンのニュースショー」では高層ビル建設に6年間携わってきた建築会社の従業員A氏と電話インタビューを行い、建築現場でのトイレ事情を聞いているのだが、その内容にも驚きだ。

韓国で高層マンションを建築する場合、日本の様に単塔ではなく、複数塔が集まる団地形式が主である。

もちろん、建築現場は安全第一を心がけ工事をするのだが、そこに思ってもない建築業者、従事者の事情があった。建築費用を削るためにトイレ設置費用すら削っているというのだ。

「ひと目に触れない場所で用を足して…」
現場にもよるが大半の現場にトイレは少なく、設置をお願いしやっと設置をしてくれる現場も有るとしながら、インタビューでは「仮に高層マンション5棟を建てているとしたら、トイレは1棟に一つしか設置しない」と言うのだ。

それも1階の野外に……。

そこで階層が上がるほどトイレが遠のくわけだが、日本であれば隔階にトイレを設置するが、韓国ではそれがないという。

ただ、従業員A氏は「トイレのない現場では通常、業者(作業員)はこういった排泄物はしっかり処理している。この様なケースは稀である」と話しながら韓国建築現場のトイレ事情を話した。

インタビューを行った従業員A氏は「もし23階で仕事をしながらトイレに行きたいとなると、下に降りて用を足し戻るのに20~30分ほどかかる。その場合、下請け業者としては元請業者の目もあり中々言い出せない」と話す。

その結果、「23階建築現場内のひと目に触れない場所で用を足し後で下に持って行き処理することは普通にある」というわけだ。

一斗缶のようなものを置いて
また小に限っては各階に一斗缶の様な物を置いて、用を足す場所をどこの現場でも決めているという。

他建設中の高層フロアの1室のトイレを開放しそこで用を足すこともあるそうだ。