各地で踊り継がれてきた民俗芸能「風流踊」が、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録される見通しとなった。

 しかし、「日本三大盆踊り」の一つ、徳島県の「阿波踊り」は今回の勧告対象に含まれていない。国の重要無形民俗文化財に指定されている踊りが対象とされたためだ。

 阿波踊りの起源は、安土桃山時代に徳島藩の藩祖・蜂須賀家政が、徳島城築城を祝って踊らせたなど諸説ある。400年以上の歴史の中で踊りやお 囃子はやし は大きく変化している上、踊り手グループによっても踊りの形態が異なるのが特徴だ。

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 文化財指定に関し、文化庁が文化審議会に諮る際には、▽由緒がわかる資料が残る▽保護団体が存在する――といった点が考慮される。県文化資源活用課は「踊りの変遷をたどることができず、定義付けが難しいのが文化財に指定されない理由ではないか」と推測し、「勧告対象には含まれなくても、今後も阿波踊りを盛り上げたい」とする。

 日本三大盆踊りのうち、「 西にし馬音内もない の盆踊」(秋田県)と「郡上踊」(岐阜県)は勧告対象になっている。

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