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左が軍事訓練を視察するプーチン大統領(ロイター)

 悪魔の授業だ。プーチン大統領はロシアの学童に最前線で戦う準備をさせることで、全面戦争に備えさせているという。英ミラー紙が9日、報じた。

 日本と違い、ロシアの義務教育は11年制だ。しかも、6歳からでも、8歳からでも、何歳から入るのも自由だという。そのロシアの義務教育での最後の2年間で、140時間の軍事訓練を受けることを義務化した。同紙は「これによりプーチンは新兵問題を終わらせることを望んでいる」と指摘する。

 ロシアは兵士不足に陥っている。現在、部分動員令で徴兵した兵士を訓練不足のまま最前線に送ることで、何もできないまま戦死したり、逃げ出したりする兵士が出ており、さらに兵士不足という悪循環だ。

 そこで、10代の生徒に戦争の準備をさせることで、訓練不足の新兵をウクライナ戦争に送り出すという問題を解決しようという悪魔の計画が出ている。

 ロシア国防省第一副大臣ヴァレリー・ゲラシモフ氏は「特別軍事作戦の開始とともに、兵士不足は特に深刻になった。多くの志願兵でさえ、戦争に参加するのに必要な経験を持っていない。義務教育で軍事教科を学校に導入することで、市民はウクライナとの対決に向けて体系的に準備できるようになります」と話しているという。

 ロシアのタス通信社の写真をみると、アサルトライフルを構えている生徒の写真がある。銃の扱い方の基礎を覚えるということだろう。ほかにも応急処置、防毒マスクを付けている写真もある。義務教育で戦争行為への基礎的な知識が浸透していれば、その子たちが新兵になった時に、基礎訓練にかける時間が短縮できるというわけだ。

 そして、プーチン大統領は現在、ウクライナでの戦争、そして西側諸国に対する戦争が何年も続く可能性があると信じている。だから、生徒へ義務化したとみられる。

 英国のある国防情報筋はミラー紙に「ロシアの子供たちに対して戦争を想定した準備をさせることはばかげている。しかし、現実面では、子供たちと親たちに警戒感を与え、ウクライナやNATOからの真の脅威があると信じ込ませる効果がある」と指摘している。

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