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2022年11月18日に行われた新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」の試射。朝鮮中央通信が配信した=朝鮮通信

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記の妹で、朝鮮労働党副部長の金与正(キムヨジョン)氏が20日に出した談話をめぐり、米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)を通常通りに飛ばす「予告」ではないかとの見方が韓国で出ている。

 北朝鮮はこれまで、ICBMの飛距離を縮めるために、高高度で発射するロフテッド軌道で打ち上げてきた。通常の角度で発射した場合は1万キロ以上飛び、米本土近くに着弾する可能性もある。ただ、米韓などは今のところ、そうした発射の兆候を確認していないとされる。米国の猛反発を招くのは確実で、北朝鮮がそうした極めて危険な挑発に実際に出るのかは不透明だ。

 朝鮮中央通信によると、与正氏は20日の談話で、北朝鮮のICBMがまだ開発段階で、大気圏外に出た後に再び大気圏に再突入させて標的の上空で爆発させる技術には至っていないとみる韓国軍や韓国の専門家の分析に反論。すでに技術は確立していると強調し、「我々の戦略兵器の能力をおとしめようとしている」と批判した。

 そのうえで与正氏は、再突入技術の確立のためには通常角度での発射による検証が必要とする韓国側の見解に触れ、「(検証は不要で)やればできるし、見ればわかることだ」などと主張した。

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