0001きつねうどん ★
2022/12/27(火) 07:20:14.06ID:1dizlXPvhttps://static.tokyo-np.co.jp/image/article/size1/6/e/c/5/6ec5b66fc1aa9c1d284fddf286e544d1_1.jpg
ソウル市麻浦区上岩洞で、団地に囲まれた一角にある旧日本軍官舎
集合住宅が立ち並ぶ上岩洞サンアムドンワールドカップ団地の一角に、木造平屋の旧官舎がひっそりと立つ。団地開発に伴い2010年、状態の良かった2棟を今の場所に移築した。畳の部屋や土間の台所などが復元され、昔の日本式の生活を伝える展示館になっている。子どもたちは「(アニメの)となりのトトロの家みたい」と珍しがるという。
京義線と水色駅 京義線はかつて京城と呼ばれた現在のソウルと北朝鮮の新義州を結んだ路線で、日本の大陸進出のための重要インフラだった。水色駅には大規模な操車場が造られて兵たん基地になり、周辺に日本軍の兵営もあった。隣接する上岩洞は長らく開発が遅れていたが、2002年のサッカーワールドカップ日韓大会の後に団地ができた。
◆英雄とテロ 日韓で認識異なる安重根を学ぶ
学習に使う部屋もあり、小学生の希望者を対象に「日本軍官舎で出会う安重根アンジュングン義士」と題したプログラムが開かれている。安重根は初代韓国統監だった伊藤博文を暗殺した。韓国では英雄視されるが、日本の政治家が「テロリスト」と言及することもあり、日韓で認識に隔たりがある存在だ。
取材に訪れた週末は、2組の小学生と保護者が参加していた。
◆「日本は間違ったことをした」とは主張
講師の房美熙バンミヒさん(49)が「人を殺すのは悪いこと。でも韓国の立場からは、伊藤は国を強制占領した基盤をつくった人だった」と説いた。01年に起きた米中枢同時テロの首謀者、ウサマ・ビンラディン容疑者を米軍が殺害した例を挙げ、「罪のない多くの人を殺した、間違った行為を処断したという意味でテロとは区別する」と説明。安が「東洋の平和のために」暗殺を実行したと主張したことも紹介した。
子どもたちは独立運動家の金九キムグが創設した光復軍にならい、韓国の国旗である太極旗に「独立万歳」などと寄せ書きして記念撮影。房さんは「国を奪われて自分の言葉も使えなくなり、自分だったら独立運動をしただろうかと考えてみて」と呼びかけた。最後に「日本が私たちに間違ったことをしたが、全ての日本人が悪いのではない」とも付け加えた。
◆「全ての日本人が悪いのではない」敵意は助長せず
プログラムは、歴史を専攻した女性らが所属する地元の社会的企業「私たちがつくる未来」が運営する。代表の李賢正イヒョンジョンさん(42)によると、安重根や金九を扱うのは、韓国人が近代史を学ぶ上で重要なテーマである「自主独立」について考えさせるため。一方で、「日本と韓国がいつまでも『加害者と被害者』でいることはできない」と、子どもたちの日本に対する敵意や偏見を助長しないよう気を配っている。
プログラムは17年に始まり、昨年から文化財庁の主催になった。地域に残る文化遺産である日本軍官舎の活用法を探る事業という位置付けだ。
「誇らしくなくても、忘れてはいけない歴史の一部」。同社は植民地支配の痕跡である旧日本軍官舎を「ネガティブ(否定的な)文化遺産」と呼ぶ。当初は保存や活用の試みを批判する声も強かったが、子どもたちが訪れるようになり、最近は保存すべきだという認識が高まったという。
「日本人にも来てほしい。私たちだけでなく、一緒に記憶するものだから」と李さん。歴史を巡って日韓が対立するのではなく、お互いの立場の違いを認識できる場になるだろうか…?と考えさせられた。
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ソウル市麻浦区上岩洞の旧日本軍官舎で、太極旗にメッセージを寄せ書きする参加者
現在も鉄道の車両基地がある水色駅周辺。日本統治時代は兵たん基地だった
https://www.tokyo-np.co.jp/article/221994